HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

今の時代、健康上手は栄養素をどう選ぶ?

歯科医師の手塚 充樹です。

 

私自身、小学校高学年から大学6年生までバスケットボール部に所属しており、学生時代に身についた食欲やアルコールの摂取欲など、そう簡単には衰えません。

 

が、自分は栄養素の摂取の仕方や、種類、量をコントロールすることで、太りにくく、疲れにくく、風邪をひきにくく、花粉症になりにくく、集中力が持続して仕事でパフォーマンスを発揮できる状態を獲得することができました。

 

ちなみに今でも、ラーメンやトンカツだって週に何回か食べます。

 

 

皆さんは「新型栄養失調」という言葉をご存じですか。

 

現代において栄養失調なんてありえない?


 

私自身は、現代の食生活において、過去に食糧難があったような時代とは違い、牛丼なども安く食べれるし栄養失調なんてありえない。と思っていた節もありました。

 

現状は少し違います。

 

このお話は、生きていくために必要なエネルギーの話ではなく、病気にならないために必要な栄養素のバランスのお話です。

 

 

 

昔よりも栄養素(ビタミン、ミネラル)を摂取しにくくなっている?


 

野菜の栄養素の減少と野菜の価格の高騰

 

近年、野菜の栄養素の減少が明らかになっています(50年前と比較)。

 

日本の野菜の作り手さんが減っていることなども影響して、野菜価格の高騰も日頃からひしひし感じますよね。

 

 

 

各栄養素の欠乏(鉄分、亜鉛、そのほか男女共通のビタミンミネラルの不足傾向)などがそのような側面からも起こりやすくなってきています。

 

 

糖質は比較的お手軽に摂れてしまうのが難点


 

チョコレート、飴、せんべい、グミ、キャラメル、、、

 

うどん、丼、パスタ、そば、菓子パン、、、

 

けっこうコンビニなどに置いてあって手軽にお腹を満たせるんですよね。

 

でも、太るし疲れるんですよね。

 

 

 

なんで新型栄養失調なのになんの問題もなく生きていられる?


 

 

ひどい病気の発症は20年~30年後

 

 

一般的に、入院が必要になるほどだったり日常生活に支障が出るほどの病気が発症するまでには年数がかかることがわかっています(ほとんどの方は栄養状態が影響してそんなに年数がかからなくてもどこかしらに症状が出ている)。

 

 

お酒に強い人や弱い人、糖質の代謝が上手くできる人できない人、いろんな方がいらっしゃいます。

 

 

風邪をひきやすい人ひきにくい人、アレルギーが出やすい人出にくい人、、、

 

 

人間、危機的な状況になれば縁の下の力持ちのような回路が働いて生命の維持ができるように持ちこたえることができます。

 

 

しかし、危機的な状況にもついに耐えきれなくなり、どこかで破綻が飽きた場合、外科手術や入院、薬物療法などを使い治療を行っていく運命がスタートしてしまうのです。

 

 

疲れやすくないですか?爪は荒れやすくないですか?眠りは良好ですか?イライラしやすくないですか?歯ぐきから出血を繰り返しませんか?お肌の不調は気になりませんか?


 

じつは上記の症状は、同じような根をもっていると考えられます。

 

大体、似たような栄養素の欠乏によって起こっていると考えられます。

 

それと、新型栄養失調とは深い関わりがあります。

 

 

 

認知症もがんも心筋梗塞もいろんな病気の特効薬をひとつずつ探していくよりも、根本的な改善をした方が早いのでは……


 

日本での感覚、少なくとも私が感じるのは、好きなように人生を過ごして、あと、身体がまずいことになったら医師・歯科医師(もしくは御家族)が何とかしてくれるだろうと考える方も少なくはないのではと思います。

 

これから高齢社会の世界トップクラスを迎える日本においては心配な発想だと思います。

 

 

私が担当してるお口の中も身体の一部ですし、体全体とは血管や神経で繋がっています。

 

 

お口の中の細菌が歯ぐきのバリアを破って、身体の中へ侵入を繰り返していても生活習慣病は起こります。

 

お口の中のバリア機能を整える意味でも栄養は重要です。

 

歯科からお身体の健康を支える内容についてはこちらでも書いていますのでご興味があればご一読ください。

 

 

胃の病気、皮膚の病気、心臓の病気、肺の病気、、、など、

 

 

根本的なことを解決するだけで、複数の症状が良くなることはあります。

 

 

栄養療法や、ヨガ、カイロプラクティックなど、慢性の不調を解決する手法はいろいろです。

 

 

 

 

新型栄養失調かどうかを知るためにはどうしたらよい?


 

 

詳細については、人によって栄養状態も違いますので、カウセリングが入口になるかと思います。

 

血液検査、唾液検査、尿検査、毛髪ミネラル検査、手のひらからの光測定による体内ミネラル組成の検査など検査も種類がありますが、必要に応じて行えばよいと考えます。

 

患者様の状態によっては、より専門的な医科クリニックへの対診も行っております。

 

当院のオーソモレキュラー(分子整合栄養医学)・サプリメント外来にてご相談可能です。

 

お気軽に当院までご連絡ください。

 

 

まずは新型栄養失調の改善を


 

 

なんとなくイメージは伝わりましたでしょうか。

 

元気に楽しく、季節の変わり目にもへこたれることなく、仕事も乗り切り、病院通いとおさらばし、休日を楽しめる身体をつくることは素晴らしいことだと思います。

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

きれいなお肌を作るなら赤いお肉をたべなさい

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

 

 

先日は、消化管・粘膜・皮膚科のセミナーに出席してきました。

 

医師が120名以上集まるとても人気な講習会です。

 

歯科医師はお見かけしただけでも1割に満たない比率でした。

 

 

口腔内も消化管だし何か参考になればと思い出席させて頂いたのですが、結果的に最高に有意義でした。

 

『きれいなお肌をつくるなら「赤いお肉」を食べなさい』という著書をお持ちの、柴 亜伊子 先生もご登壇されていました。

 

 
 
 
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赤身肉が赤いのは鉄分、血液豊富な証拠。 ニュージーランド産グラスフェッド(牧草飼料)ビーフ300gのステーキ。 スーパーで入手して家で焼くのが一番^^ グラスフェッドビーフの赤身肉は脂が少なくてペロッと食べれる感じ。 身体にも良いとくれば最高です。 #肉#ステーキ#赤身#グラスフェッド #ヒトは口から老いる#予防は食事から #アンチエイジング#抗酸化#抗糖化 #テヅカ歯科クリニック#ジンデンタルクリニック#歯医者#新橋#内幸町#川崎#東京 #beef#steak #newzealand #grassfed #biohack #tokyo#japan#dentist

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写真は私がたまに食べるようにしている赤身の牛肉、ニュージーランド産のグラスフェッドビーフです。

麻布のニッシンというスーパーで売っていますが、いきなりステーキを食べるより安く300g超のお肉をゲット出来ますよ。

 

 

目次

 

お口も消化管

 

消化する準備は食べ物を想像した瞬間から始まる

 

胃炎とピロリ菌と歯周炎の関係

 

粘膜は吸収のために必要、皮膚はその結果

 

ビタミンは足し算、ミネラルはバランスが肝心

 

GFCF(グルテンフリーカゼインフリー)は不可欠

 

口腔粘膜の話に戻ると

 

 

 

 

お口も消化管


お口も消化管です。

 

私が担当する歯科領域から始まり、しっかりと咀嚼された食べ物は、唾液と混じって食塊(しょっかい)となり食道→胃腸へと流れていきます。

 

消化する準備は食べ物を想像した瞬間から始まる


食べ物を消化する行為は、口に入れる前、食べ物を見たり、匂いを嗅いだり、想像したりしただけでも準備が始まります。

 

 

好物を想像するだけでも、脳から司令がいってインスリンというホルモンが分泌されたりすることも知られています。

 

 

コンビニでスイーツ選びをしている最中や、どこか美味しそうなお店の前を通った時など、身体は反応し、食べ物を消化する準備を始めるというわけです。

 

 

胃炎とピロリ菌と歯周炎の関係


萎縮性胃炎といって、胃の症状とピロリ菌の関わりが指摘されています。

 

ピロリ菌の除菌によって胃の症状を改善しようというやつですね。

 

ピロリ菌はヘリコバクター属に所属している細菌です。

 

最近は、非ピロリ性の萎縮性胃炎もあることがわかっており、ピロリ菌とは呼ばず、ヘリコバクターと総称として呼ぶようになってきているという話もあります。

 

 

実は、ヘリコバクターはお口の中にも存在します。

 

 

主に、カンジダというカビの菌などのイーストの中にいることがわかっており、

 

歯のクリーニングをして全体の歯石取りをやったあとに胃炎が起きる方がいますが、

 

その理由が、お口の中から胃の方へ流れていったヘリコバクターだという可能性が示唆されています。

 

カビの菌のそばでヘリコバクターが守られてしまっているため、抗生物質で除菌しようと思っても効かないことがわかっています。

 

 

口腔内にも胃炎の引き金となるような菌が潜んでいることがあるので、お口のクリーニングは、胃を守るためにも重要ですよね。

 

 

粘膜は吸収のために必要、皮膚はその結果


美肌を獲得したい場合、なにかを「塗る」ことを意識しがちだとは思いますが、皮膚科の先生いわく、塗ってもいいが本当の美肌は栄養素から解決していかないと獲得できないそうです。

 

 

消化粘膜の状態を整えてあげることは、消化吸収を良くします。

 

胃腸粘膜のバリアを整えることによって、無駄に毒素を取り込んでしまうことを防ぎます。

 

ビタミンは足し算、ミネラルはバランスが肝心


皮膚は、消化粘膜から消化吸収した「結果」でもあるので、日頃から過剰に糖質を摂りすぎないように、良い脂をとり、ビタミンを多く摂取して、ミネラルはバランスを意識する。

 

 

また、消化粘膜の状態を良くするにはアミノ酸や食物繊維など栄養素が必要です。

 

GFCF(グルテンフリーカゼインフリー)は不可欠


食欲のコントロールや腸内細菌を整えるためにも、糖質はコントロールしていく必要があります。

 

 

ただただ糖質を減らし、いつも通りの食生活から何も変えなかったら……

 

 

ただのガス欠になってしまいます。

 

 

糖質を減らした分、キチッと多価不飽和脂肪酸(主にオメガ3系の脂質)やタンパク質を摂取して、エネルギー不足は防ぐことがよい循環を生みます。

 

 

口腔粘膜の話に戻ると


お口の中でも、舌がヒリヒリしたり痛かったり、味がわかりにくかったり口内炎ができやすい、歯ぐきから出血しやすい、粘膜が弱い、、など

 

 

粘膜や歯や歯ぐきも何かしらのサインを出してくれます。

 

 

私が担当する歯科でも、そんなサインを敏感にキャッチしながら診療にあたることで、皆さんの健康の手助けができると考えています。

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

 

 

   

 

 

歯の神経をなるべく取りたくない

歯科医師の手塚 充樹です。

 

久しぶりに更新します。

 

今日の内容は、「なるべく歯の神経を取らないためにできること」をテーマにお話ししたいと思います。

 

歯の神経を取る治療は、治療する方もされる方も大変


 

皆さんは、歯の神経を取る処置の時に苦労された経験はありませんか。

 

私は少なくとも、「歯の神経を取った時、すごく痛くて苦労した」というようなフレーズを患者さんから伺うことがけっこうあります。

 

もしくは、神経を取り除いたあと、治療が完了してから数年後に同じ歯が痛み出したりしたことはありませんか??

 

 

歯の神経を取らずになんとかできないのか


 

 

歯の神経を取らずに何とかする方法があれば・・・と思いますよね。

 

実は、神経に到達する手前の状態で痛みが出ているような場合、神経を残して処置ができる材料があります。

 

 

歯の神経を取らずに治療するために使える材料


 

過去にも、神経を残してなんとかしようとする考えはあり、主に水酸化カルシウム製剤などが用いられてきました。

 

しかしながら、虫歯を削っている最中に、偶発的に神経が飛び出てしまった場合に有効なのがこの方法です。しかも、年月が経つと吸収されてしまったり、強度がないので形を保っていられなかったり問題点はあります。

 

結果的には、虫歯が進行しすぎていると、神経を取る以外に方法がないのが現状でした。

 

しかし、ドックベストセメントMTAセメントを用いることにより、従来よりも歯の神経を温存できる可能性が高まることがわかってきています。

 

 

ドックベストセメントに関しては、少なくとも自分の患者さんやドックベストセメントを使用している先生方のあいだでは、正しく扱えば成功率はかなり高く、歯の痛みが治まり、神経を残すことが可能となっています。

 

 

MTAセメントについても同様に、歯の神経を残すために有用であり、歯の根がシャープに割れてしまった場合に、割れた歯を接着させてMTAセメントでくるんだりしてあげると保存ができたり、素晴らしい効果があることがわかっています。

 

 

細胞が修復する力を促す

 

ドックベストセメントやMTAセメント。お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

神経を取らない方がよい理由は、治療が大変だからというだけではない


 

 

日本では、多くの場合、冷たい水にしみる症状が治まらなかったり、暖かいものでもしみるような症状が出ている場合は、歯の神経を取る処置を行うことが多いです。

 

しかし、この神経を取り除く処置の段階でかなりちゃんと無菌的な処置を行わないと、何年後かに再発をしてしまうことが、特に日本では多いことがわかっています。

 

神経を取る治療をする時は、身体の内部(神経)が身体の外部(お口の中)に露出しますので、しっかり治療を行う必要があります。

 

 

しかし、日本の保険医療体制では、なかなか根の治療に対してそこまで時間をかけたり最新の機器を駆使することは難しくなっております。

日本には、根の治療を専門として自由診療のみで治療をする医院も増えてきているように感じます。

 

 

 

根の治療が終わった歯が数年後に再発した時がやっかい


 

 

 

根の治療が終わり、その後の土台の素材や、被せ物の素材によっても、治療後の感染のリスクが変わることがわかっています。

 

 

しかし、根の治療を保険でやったあと、土台を金属で入れたり、その上に金属のかぶせ物を装着することが今までは特に多かったです。

 

種類の違う金属が隣り合わせになると、イオンの差がうまれて、のちのち細菌を歯の中に送り込んでしまうこともわかっています。

 

 

根の先の方へ細菌が送り込まれ、根の先で膿の袋を作ったりしてしまった時がとてもやっかいです。

 

 

その細菌が実は身体の方へ送り込まれてしまい、心臓の血管の病気を引き起こしている可能性が示唆されています。

 

 

歯の神経を取った後は、むし歯が進行したりしても症状がないので気づきにくく、私の感覚からするとかなり危険な状態に思えてしまいます。

 

 

少なくとも、自分の歯にはそんな治療はしたくないです。

 

 

みなさんも、ご自身の歯のことを真剣に考えて、今後のお身体の健康のためにも、ちゃんとした歯の治療を行うことをおすすめします。

 

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

歯科・栄養・予防医学の発表をしてきました!

どうも、歯科医師の手塚充樹です。

先日、歯科における栄養の重要性について発表をしてきました。

現在、パートナードクターとして勤務させていただいている鴨宮駅前の青山デンタルクリニックではランチョンセミナーとしてスタッフ向けに時間を作っていただき発表を行いました。

また、所属しているスタディーグループASC(Azabu Study Club)でも発表を行いました。

タイトルは題して、「Why nutrition is important for dentistry? なぜ歯科で栄養学なのか?」です。

背景


自分が栄養に興味を持った経緯から、人生100年時代への突入・医療業界の変革・現代の国民の栄養素の摂取状況などについて背景を述べました。また、歯科の臨床に即した話として、咀嚼と栄養素の種類についても触れました。

少し突っ込んだ内容も盛り込みました。

分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)について、この分野が始まったきっかけや、考え方について。

血液検査データの解釈の仕方が従来と違う点などを紹介しました。

なによりも、患者さんの健康寿命・幸福寿命を延ばすためにむし歯の治療・予防、歯周病の治療・予防が重要で。

歯科は健康に寄与するチャンスの宝庫


栄養学・予防医学などの知識を使ってむし歯・歯周病の予防を行えば、将来的には生活習慣病の予防にも繋がっていくというチャンスが歯科にはあると思います。

その力を、患者さんにも知ってもらいたいですし、同業歯科衛生士さんなどのコメディカルの方々にも是非知ってもらいたいです。

歯科が、この図のように、医療業界の中で水道の蛇口を閉める役割を担う。

歯科の中でも、水道の蛇口を閉めるための診療を行う意識を、発表を行ったことでさらに強く持つようになったような感じがします。

幸福寿命を延ばす!歯科のパワー!

歯科医師の手塚 充樹です。

今回のブログは「幸福寿命」についてです。

よく使われる言葉としては似ているものに「健康寿命」があります。

人が亡くなるまでの期間は寿命ですが、幸福寿命は人が幸福感を持っていられる期間を表す言葉、健康寿命は人が健康感を持っていられる期間を表す言葉。

先日、参加してきた「百寿社会の展望」シンポジウムで用いられていた言葉が「幸福寿命」です。

人が幸福感・健康感を実感する理由を、長寿の方々にアンケート調査をしたところ、

1位 病気がないこと

2位 美味しく飲食ができること

だったそうです。

病気については様々な病態が考えられるため、要因が多くあがりますが、

美味しく飲食ができることに関して言えば、なんとなく、健康な歯があれば実現できそうですよね。

もちろん、精神的な背景として、家族など自分以外に一緒に飲食してくれる仲間がいることも大事でしょう。

経済的な背景として、自分が食べたいものを購入したり、飲食店でサービスを受けたりするために資金があることも大事だと思います。

噛める人と噛めない人の食べれるもの・食べれないもの


例外的に、歯がある程度しか残っていなくても、残っている歯を使って上手に飲食されている高齢の方を拝見した記憶があります。それもそれでありだと思います。

が、一般的には

よく噛める人と噛めない人では、以下の図のようになります。

よく噛める人→ タンパク質・良質な脂質・ミネラル・ビタミンを摂取できる量が多い。

噛めない人→ 糖質の割合が増え、その他の栄養素が不足しがちになる。

噛めない人が低タンパク栄養を続けることで身体の中のアミノ酸を使い始めてしまうので、筋肉が痩せてきます。

結果的に、高齢の方がつまづきやすくなったり、転倒して骨折してしまったりするリスクが高まる可能性が示唆されます。

骨折してすぐ治ればラッキーですが、場合によってはかなり後の生活に支障をきたすこともありますので注意が必要です。

100歳以上生きる人の割合が増加


今までの日本と違い、今後は国民の寿命が延び、100歳以上まで生きる方が増えると言われています。

予測では、先進国では2007年以降に産まれた人は100歳以上まで生きる人が50%はいるだろうということも言われています(日本は107歳以上)。

そんな時に考えなきゃならないのは、100年ある人生の中で何歳まで仕事をし、どのように生きていくのか。

ライフプランの変革


ライフプランが今までとは大きく変わってくるということです。

仕事も一種類に限らず複数の仕事をしたり、生き方も改革が起こってくると言われています。

医療業界もパラダイムシフトが起ころうとしている


医療業界もまさに、パラダイムシフトが起ころうとしていて、対症療法に偏った医療や入院に頼った医療では限界があることがわかってきています。

そこには、

医療を提供する方の私たち側の変革もそうですし、

医療を受ける側の人達も今までの意識を変えていく必要性が求められています。

「何か問題が起きたらその時は医者に診てもらえばいい」

「病気になっても、その病気に効く薬を出してもらえば治る」

「歯科医院は歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたら行くもの」

といった感じで、今の一般的な感覚では、問題が起こってから行くのが病院というのが普通かと思います。

歯科が全身の健康のキーパーとなって幸福寿命を守る


歯科に患者さんが訪れた時、(患者さんの目的は歯の痛みを取り去ることだっとしても……)食生活や習慣や全身の状態から、全身の問題点を検出できることが多くあります。

私たちが担当しているお口の病気もそうですが、私たちプロの目から見たら問題が起こっていたとしても、患者さん本人は何も痛みは感じていないことがあります。

病気の元が身体の中に出来てから、発症するまでは約20年かかると言われています。

今の身体の状態が元気だと思えても、20年後の発症に向けて動き出してしまっている可能性もあるのです。

私はそのために全身のことについての知識を日々増やしています。

具体的には、血液検査の状態から現在の栄養状態を評価したり、唾液の酸性度など質を調べたり、お口の中のデータだけではなく、全身のデータとなるものを拝見させていただいて今後どのようなことに気をつけて行くべきかをアドバイスさせていただきます。

口を全身の一部としてとらえた診療の質を高めていくため、今後も知識をアップデートしていく方針です。

それぞれの人がそれぞれの人に合った形で、生き生きと長く、健康で幸福な生活を永く維持できるように、ぜひ全身予防歯科を活用してみてください^^

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ジンデンタルクリニック院長

テヅカ歯科クリニック勤務

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予防補綴のススメ。~むし歯治療にセラミックをうまく活用しよう~

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

 

今回のテーマは題して

 

「予防補綴のススメ。~むし歯治療にセラミックをうまく活用しよう~」です。

 

なぜ、予防とセラミックが関係あるのか


 

なぜ、こんな記事をつくるのかというと、セラミックで歯を治すことの利点は見た目の改善だけが目標ではないからです。

 

 

なんとなくセラミックと聞くと、「前歯の治療に使うものでしょ」とか、「奥歯はあまり他人から見えないしセラミックは入れなくても良いかな」とか考える方もいらっしゃるかと思います。

 

しかし、もっと患者さんの「身体」に対して意味のあることなんです。

 

それは、セラミックは、天然の歯と似ているからです。

 

以下、その理由を5つにまとめてみました。

 

 

 

セラミックが天然の歯と似ている理由。


目次

 

1.歯ぐきと仲良し

 

2.温度変化から受ける影響が似ている

 

3.アレルギーを起こさない

 

4.歯とよく接着する

 

5.硬さが似ている

 

 

 

1.歯ぐきと仲良し


 

銀歯の被せ物が入ると、歯ぐきは経年的に下がってくることが多いです。銀歯のそばが真っ黒になっていることもよくあります。

 

それに対して、セラミックは適切な形で被せ物を作れば、むしろ歯ぐきが増えてくることも知られています。

 

擬似エナメル質(ヒトの歯の表面にある結晶構造の石のような部分をエナメル質と呼びます)と呼ばれることもあるくらい、歯のモノマネをしてくれるため、歯ぐきがあたかも自分の天然歯と勘違いしているかのごとく、寄り添ってくれます。

 

 

 

2.温度変化から受ける影響が似ている


 

私たちのお口の中は、体温と違って、実に温度変化が激しい場所です。

 

体温って、熱が出たりしても大体3℃くらいの違いですよね。

 

お口の中に入る、食べ物や飲み物の温度って、場合によっては熱いスープなどは80℃くらいだったり、氷水は4℃くらいだったり、かなり温度差がありますよね。

 

実は、加熱膨張といって、私たちの歯や詰め物は、加熱によって膨らんでいます。

 

そのため、日々起こる温度変化によって、寸法(サイズ)変化を繰り返し、詰め物が歯からズレてきて、隙間があき、接着剤が唾液で溶かされ、新たなむし歯を作ってしまうこともあります。

 

 

そんな日々のサイズのズレを最小限に抑えてくれるのがセラミックです。

 

セラミックは加熱膨張する度合いが歯に似ているため、日頃の温度変化でズレてくる心配が少ないと考えられています。

 

 

 

3.アレルギーを起こさない


お口の中に起こるアレルギーとして、金属アレルギーというものがあります。

 

日本の歯科医療で使われている銀歯の素材は「金銀パラジウム合金」というものがほとんどで、色んな金属が合わさってできています。

 

その中でも、パラジウムを含んだ銀歯については、最近ドイツやヨーロッパ諸国では、注意喚起が出されています。

 

子供やこれから妊娠する若い女性などには入れないようにしようというもので、アレルギーのリスクを心配しているのです。

 

 

すでに銀歯が入っている方でも、アレルギーの症状が出ていない方もいらっしゃるかと思います。

 

アレルギーの発症は急に訪れます。アレルギーはコップに溜まっていく水の話で例えられることがあります。

 

みんな人それぞれアレルギーに対して耐えられるキャパシティーがあり、それを上回った時にアレルギーが発症するという考え方です。

 

お口の中に銀歯が入っていると、歯や食べ物で擦れたりして、金属の破片が口腔粘膜(頬の内側など)から吸収されています。

 

粘膜は皮膚よりも物質を吸収してしまうため、皮膚に金属を接触させているよりもリスクが高いと考えられます。

 

 

その点、セラミックはアレルギーを起こすリスクがとても低いと言えます。

 

 

 

4.歯とよく接着する


 

金属との比較になりますが、金属のつめ物やかぶせ物は、歯とそんなに良くつきません。

 

 

よく、古くなった銀歯を除去する時に、ある程度削ると、はじけ飛ぶ様にボロっと取れることがあります。

 

もう、ほとんど歯とは接着していない証拠ですし、接着剤もそれだけ溶けて失われるということです。

 

 

その点、セラミックは歯とよく接着します。

 

逆にしっかり接着させないと、セラミック本来の強度や耐久性を発揮できないとも言われています。

 

よく接着するということは、それだけ新たなむし歯に繋がりにくいといえます。

 

 

 

5.硬さが似ている


セラミックの中でも、強化型ガラスセラミックと言われるものは、硬さも歯と近いです。

 

天然の歯も、長い年月が経ったりすればすり減ってきます。

 

あまり歯より硬すぎたりすると、天然の歯だけがすり減って(酸による場合もある)、つめ物が相対的に浮いてしまうことがあります。

 

 

セラミックのようになるべく歯と似ている素材を治療に用いることで、

 

歯と一体化してくれ、身体に優しく、新たなむし歯を作りにくいお口の中を作っていくのに強力な助けとなってくれるはずです。

 

 

これから、新たにむし歯を作りたくない方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

 ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

   

 

 

 

 

歯を削らない治療 ダイレクトボンディング

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

 

 

今回は、歯をなるべく削らないシリーズをお送りいたします。

 

 

なんで歯を削らないシリーズをブログで紹介するのか?

 

 

その理由は、歯の治療は完璧なものではなく、歯を沢山削れば削るほど、新たな虫歯ができるリスクを高め、どんどん歯が小さくなっていったり、失ってしまうからです。

 

 

当然、治療には完璧を求めています。また、なるべく永続性がある治療法を提案しています。

 

 

しかし、正しい栄養摂取と、ブラッシング、天然歯の三種の神器にはかないません。

 

 

でも、虫歯になっちゃったんだからしょうがないじゃん。

どうすれば良いの?

 

という疑問を解決する治療法の1つがダイレクトボンディングです。

 

 

 

歯を削らない治療 ダイレクトボンディングとは?

 

 

「ダイレクトボンディング」

 

僕らの職業に触れている医療従事者の方じゃないと、聞きなれない響きかもしれません。

 

 

ダイレクト=直接 、 ボンディング=ボンドでつける??

 

 

大体そんなような意味で間違いはありません。

 

 

この治療法では、歯に直接強力に樹脂(プラスチック)を接着させます。

 

 

普通、詰め物や被せ物などは、セラミックと歯に接着剤を用いてくっつけます。

 

 

 

ダイレクトボンディングでは、「治療に使うプラスチックが、接着剤とつめ物両方の役割を果たします。」

 

 

 

ダイレクトボンディングはどんな時に使える?

 

 

小さめの虫歯は大の得意

 

 

 

先ほど述べたように、ダイレクトボンディングの場合、使う材質は樹脂(プラスチック)です。

 

 

セラミックや金属と比較すれば強度が劣ります。

 

 

そのため、歯の噛み合わせが当たる部位を全面覆う場合などには、不利になります。

 

 

 

あくまで小さな虫歯までが最適な適応となります。

 

 

 

 

ダイレクトボンディングは、歯を削らない以外には利点はある?

 

 

あります。

 

 

術者の技量に大きく左右されますが、かなり本当の歯に似せることが可能です。

 

 

色調が多様であり、歯に直接くっつけるので色の馴染みも良く、境目もかなりわかりにくくなります。

 

 

銀歯など金属の歯はもちろんのこと、セラミックなどでも、上手に色合わせをしないと

 

 

「the ここに詰め物が入っています」状態になります。

 

 

歯の溝のところに茶色などの濃い色をつけることも可能なんですが、恐らく、上手に色付けしたら、ほかの歯科医師が虫歯と勘違いして削り取ってしまいそうなくらい似てます。

 

 

虫歯と診断されそうになったら「ダイレクトボンディングで治されているところなので大丈夫です。」と担当歯科医師に言わないといけないですね。

 

 

 

ダイレクトボンディングは虫歯の治療以外にも使える?

 

 

使えます。

 

 

どんな時に有効か。

 

 

①すきっ歯

 

 

この場合はかなり有効です。

被せたり貼ったりする方法もありますが、ダイレクトボンディングは歯を削る量の少なさがピカイチです。

 

 

 

②歯が折れた

 

折れてなくなってしまった歯がどの程度か、噛み合わせがどのようになっているかにもよりますが、上記と同様に歯を削る量が少なく済みますので有効です。

 

 

 

 

 

 

ダイレクトボンディングは何年くらいもつ?

 

 

材料や、食生活によっては、メンテナンス、再研磨が必要となります。

 

 

他の治療法にも当てはまる部分もありますが、表面に色がついたり、境目が目立ってきたりすることもありますので数年に1回くらいはチェックしておいた方がよいですね。

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com