どうも、歯科医師の手塚 充樹です。
先日は、消化管・粘膜・皮膚科のセミナーに出席してきました。
医師が120名以上集まるとても人気な講習会です。
歯科医師はお見かけしただけでも1割に満たない比率でした。
口腔内も消化管だし何か参考になればと思い出席させて頂いたのですが、結果的に最高に有意義でした。
『きれいなお肌をつくるなら「赤いお肉」を食べなさい』という著書をお持ちの、柴 亜伊子 先生もご登壇されていました。
写真は私がたまに食べるようにしている赤身の牛肉、ニュージーランド産のグラスフェッドビーフです。
麻布のニッシンというスーパーで売っていますが、いきなりステーキを食べるより安く300g超のお肉をゲット出来ますよ。
お口も消化管
お口も消化管です。
私が担当する歯科領域から始まり、しっかりと咀嚼された食べ物は、唾液と混じって食塊(しょっかい)となり食道→胃腸へと流れていきます。
消化する準備は食べ物を想像した瞬間から始まる
食べ物を消化する行為は、口に入れる前、食べ物を見たり、匂いを嗅いだり、想像したりしただけでも準備が始まります。
好物を想像するだけでも、脳から司令がいってインスリンというホルモンが分泌されたりすることも知られています。
コンビニでスイーツ選びをしている最中や、どこか美味しそうなお店の前を通った時など、身体は反応し、食べ物を消化する準備を始めるというわけです。
胃炎とピロリ菌と歯周炎の関係
萎縮性胃炎といって、胃の症状とピロリ菌の関わりが指摘されています。
ピロリ菌の除菌によって胃の症状を改善しようというやつですね。
ピロリ菌はヘリコバクター属に所属している細菌です。
最近は、非ピロリ性の萎縮性胃炎もあることがわかっており、ピロリ菌とは呼ばず、ヘリコバクターと総称として呼ぶようになってきているという話もあります。
実は、ヘリコバクターはお口の中にも存在します。
主に、カンジダというカビの菌などのイーストの中にいることがわかっており、
歯のクリーニングをして全体の歯石取りをやったあとに胃炎が起きる方がいますが、
その理由が、お口の中から胃の方へ流れていったヘリコバクターだという可能性が示唆されています。
カビの菌のそばでヘリコバクターが守られてしまっているため、抗生物質で除菌しようと思っても効かないことがわかっています。
口腔内にも胃炎の引き金となるような菌が潜んでいることがあるので、お口のクリーニングは、胃を守るためにも重要ですよね。
粘膜は吸収のために必要、皮膚はその結果
美肌を獲得したい場合、なにかを「塗る」ことを意識しがちだとは思いますが、皮膚科の先生いわく、塗ってもいいが本当の美肌は栄養素から解決していかないと獲得できないそうです。
消化粘膜の状態を整えてあげることは、消化吸収を良くします。
胃腸粘膜のバリアを整えることによって、無駄に毒素を取り込んでしまうことを防ぎます。
ビタミンは足し算、ミネラルはバランスが肝心
皮膚は、消化粘膜から消化吸収した「結果」でもあるので、日頃から過剰に糖質を摂りすぎないように、良い脂をとり、ビタミンを多く摂取して、ミネラルはバランスを意識する。
また、消化粘膜の状態を良くするにはアミノ酸や食物繊維など栄養素が必要です。
GFCF(グルテンフリーカゼインフリー)は不可欠
食欲のコントロールや腸内細菌を整えるためにも、糖質はコントロールしていく必要があります。
ただただ糖質を減らし、いつも通りの食生活から何も変えなかったら……
ただのガス欠になってしまいます。
糖質を減らした分、キチッと多価不飽和脂肪酸(主にオメガ3系の脂質)やタンパク質を摂取して、エネルギー不足は防ぐことがよい循環を生みます。
口腔粘膜の話に戻ると
お口の中でも、舌がヒリヒリしたり痛かったり、味がわかりにくかったり、口内炎ができやすい、歯ぐきから出血しやすい、粘膜が弱い、、など
粘膜や歯や歯ぐきも何かしらのサインを出してくれます。
私が担当する歯科でも、そんなサインを敏感にキャッチしながら診療にあたることで、皆さんの健康の手助けができると考えています。
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手塚 充樹
Mitsuki Tezuka
歯科医師 博士(歯学)
D.M.D. Ph.D.
ヘルシーライフデンタルクリニック院長