歯科医師の手塚 充樹です。
今回のブログは「幸福寿命」についてです。
よく使われる言葉としては似ているものに「健康寿命」があります。
人が亡くなるまでの期間は寿命ですが、幸福寿命は人が幸福感を持っていられる期間を表す言葉、健康寿命は人が健康感を持っていられる期間を表す言葉。
先日、参加してきた「百寿社会の展望」シンポジウムで用いられていた言葉が「幸福寿命」です。
人が幸福感・健康感を実感する理由を、長寿の方々にアンケート調査をしたところ、
1位 病気がないこと
2位 美味しく飲食ができること
だったそうです。
病気については様々な病態が考えられるため、要因が多くあがりますが、
美味しく飲食ができることに関して言えば、なんとなく、健康な歯があれば実現できそうですよね。
もちろん、精神的な背景として、家族など自分以外に一緒に飲食してくれる仲間がいることも大事でしょう。
経済的な背景として、自分が食べたいものを購入したり、飲食店でサービスを受けたりするために資金があることも大事だと思います。
噛める人と噛めない人の食べれるもの・食べれないもの
例外的に、歯がある程度しか残っていなくても、残っている歯を使って上手に飲食されている高齢の方を拝見した記憶があります。それもそれでありだと思います。
が、一般的には
よく噛める人と噛めない人では、以下の図のようになります。
よく噛める人→ タンパク質・良質な脂質・ミネラル・ビタミンを摂取できる量が多い。
噛めない人→ 糖質の割合が増え、その他の栄養素が不足しがちになる。
噛めない人が低タンパク栄養を続けることで身体の中のアミノ酸を使い始めてしまうので、筋肉が痩せてきます。
結果的に、高齢の方がつまづきやすくなったり、転倒して骨折してしまったりするリスクが高まる可能性が示唆されます。
骨折してすぐ治ればラッキーですが、場合によってはかなり後の生活に支障をきたすこともありますので注意が必要です。
100歳以上生きる人の割合が増加
今までの日本と違い、今後は国民の寿命が延び、100歳以上まで生きる方が増えると言われています。
予測では、先進国では2007年以降に産まれた人は100歳以上まで生きる人が50%はいるだろうということも言われています(日本は107歳以上)。
そんな時に考えなきゃならないのは、100年ある人生の中で何歳まで仕事をし、どのように生きていくのか。
ライフプランの変革
ライフプランが今までとは大きく変わってくるということです。
仕事も一種類に限らず複数の仕事をしたり、生き方も改革が起こってくると言われています。
医療業界もパラダイムシフトが起ころうとしている
医療業界もまさに、パラダイムシフトが起ころうとしていて、対症療法に偏った医療や入院に頼った医療では限界があることがわかってきています。
そこには、
医療を提供する方の私たち側の変革もそうですし、
医療を受ける側の人達も今までの意識を変えていく必要性が求められています。
「何か問題が起きたらその時は医者に診てもらえばいい」
「病気になっても、その病気に効く薬を出してもらえば治る」
「歯科医院は歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたら行くもの」
といった感じで、今の一般的な感覚では、問題が起こってから行くのが病院というのが普通かと思います。
歯科が全身の健康のキーパーとなって幸福寿命を守る
歯科に患者さんが訪れた時、(患者さんの目的は歯の痛みを取り去ることだっとしても……)食生活や習慣や全身の状態から、全身の問題点を検出できることが多くあります。
私たちが担当しているお口の病気もそうですが、私たちプロの目から見たら問題が起こっていたとしても、患者さん本人は何も痛みは感じていないことがあります。
病気の元が身体の中に出来てから、発症するまでは約20年かかると言われています。
今の身体の状態が元気だと思えても、20年後の発症に向けて動き出してしまっている可能性もあるのです。
私はそのために全身のことについての知識を日々増やしています。
具体的には、血液検査の状態から現在の栄養状態を評価したり、唾液の酸性度など質を調べたり、お口の中のデータだけではなく、全身のデータとなるものを拝見させていただいて今後どのようなことに気をつけて行くべきかをアドバイスさせていただきます。
口を全身の一部としてとらえた診療の質を高めていくため、今後も知識をアップデートしていく方針です。
それぞれの人がそれぞれの人に合った形で、生き生きと長く、健康で幸福な生活を永く維持できるように、ぜひ全身予防歯科を活用してみてください^^
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手塚 充樹
Mitsuki Tezuka
歯科医師 博士(歯学)
D.M.D. Ph.D.
ジンデンタルクリニック院長
テヅカ歯科クリニック勤務
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