HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)歯学部の学生さんの見学を通じて新鮮な気持ちになりました!

先日は、東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)の歯学部5年生の学生さんが、ヘルシーライフデンタルクリニックに医院見学に訪れました。

私(向かって左)と東京科学大学の学生さんたち

歯学部5年6年生あたりは自分の進路について悩む時期

ちょうど歯学部5年生というと臨床実習といって、歯科臨床で日ごろどのようなことを行っているのかどうかを間近で見ることができる時期となります。
歯科医療界は専門性がかなり細分化されていて、医師の知人にも驚かれることがあります。開業歯科医院と大学病院でも診療の仕方や専門性の特化度など異なる点が多いです。
そのため、「口腔外科に進んで大学病院で働くような歯科医師になろうかな」とか、「大学病院にいるうちに矯正歯科の技術と知識を習得しようかな」とか、「早く開業医院で働いて稼げるようになろう」とか、若い歯科医師の時期ならではのできることをすべきなのか考えたりするものです。

今回見学に来てくれたお二人は、まさにそのような悩みを抱えているので複数の医院を見学しているとのことでした。

そのうちの一人は、分子栄養学・オーソモレキュラー医学の観点での診療を受けて体調が改善した経験を持つそうで、自身の歯科医療にもその知識を役立てられないかどうか模索しているとのことでした。

自分は、学生の時は口腔外科か矯正科かどちらに進むかどうかで悩んでいました。学生時代からかみ合わせに強い関心があり、大学の図書館で咬合理論に関わる本を読み漁っていた時期もありました。

かみ合わせに特化するために矯正を学ぶのか、大学病院のような入院施設がないとわからない全身管理のことを学ぶのかけっこう悩みました。

 

また、研究という自分の中では道だった領域にもあこがれと関心がありました。

 

結果的には、口腔外科・口腔内科分野の大学院に進み、脊髄損傷の際の中枢神経の再生医療の研究をしました。特殊な条件下で細胞に起きる分化転換というエピジェネティックな現象を利用した再生医療の研究でした。やりがいがあり、ある程度成果は出たものの、NatureやSienceといった有名論文雑誌にパブリッシュされるような論文として1本をしたてあげるにはあまりにも自分には先が途方に暮れるものでした。

大学院生活を卒業するため、学位論文では閉経後骨粗しょう症とレプチンという分子の関わりを研究して学位論文とさせてもらいました。

 

大学院にて博士号を取得した後は、一般歯科の道に進み、様々な一般歯科診療の際に突き当たる課題と向き合いながらいろいろな講習会を受講しました。

 

受講した講習会の中には、歯科診療のテクニックに関わるものもあれば、オーソモレキュラー医学・分子栄養学に関わるもの、点滴療法に関するものなどがありました。

 

大学院時代の研究で頭が痛くなるほど、細胞や分子については向き合ってきたので、内分泌代謝の分野であるオーソモレキュラー医学・分子栄養学の話が自分の頭に入ってきやすかったことも今となってはつながったんだなと実感しています。

 

様々な角度から歯科医療をみた一つの結論「消化吸収能力」について

ヘルシーライフデンタルクリニックは港区新橋の新橋駅や内幸町駅前にあります。電車が乗り入れている種類が多く、JRだと東海道線上野東京ライン横須賀線総武線快速線がある関係で横浜エリアや千葉県のエリアからの患者さんもいらっしゃいます。

 

比較的遠方の方は、当然ながら、自費診療の歯の根管治療や、非抜歯矯正、顎関節症治療、親知らず抜歯、歯のすきっ歯を治すためのダイレクトボンディングという治療などの特化した治療を求めていらっしゃる方が多いです。その後、治療したところを良好に保つために定期健診に通われている方も多くいらっしゃいます。

 

一方で近隣に住まわれていたり、勤務をされている方は保険診療を主体とした一般的な歯科診療を行っているケースが多いです。

 

当院のコンセプトは、「口から未来を明るく、美しく」といった「健康寿命の延伸」を理念としていますので、治療を通じて、消化吸収能力の低下の傾向を探ったり、栄養状態の診査や改善などもできる体制を整えています。

 

今回見学をしに来てくれた学生さんが求めていた答えの一つがこの「消化吸収能力」という言葉の中にあります。

 

 

歯科医療と健康寿命延伸と消化吸収能力の関係について

歯科という分野は、お口の中の機能を診ることができる唯一の専門科です。患者さんの健康観を支えるためには、「おいしく飲食ができる」「病気がない」などの状態を一つのゴールとすることが望ましく、このゴールを達成するためには消化吸収能力を高めることが欠かせないと考えています。

 

歯の治療でいえば、咀嚼能力を高めるための矯正治療、顎関節症治療、被せ物や詰め物や、インプラント・義歯・ブリッジなどの治療がそれにあたります。

 

また、分子栄養学・機能性医学といった観点から考えるのであれば胃腸の消化吸収能力を高めるための、胃酸の排出を促す食事指導や、消化酵素の処方、ピロリ菌の除菌、腸内カンジダの除菌治療などがそれにあたります。

 

分子栄養学では、血液検査データから患者さんの栄養素の不足状態を診ることができますが、不足している栄養素をすべてサプリメントにして提供すれば全員が健康増進につながるわけでもないことがわかっています。

 

特に消化吸収能力の低下は、サプリメントの消化吸収能力の低下とも関連すると考えられるため、サプリメントを飲んでいるのに効かない」といった状態に陥る可能性があります。

 

消化吸収能力の診査を行うためには、口腔内のかみ合わせの精密な診査と、胃酸の排泄能力などのいわゆる「上部消化管」いわれる領域の状態の診査が必要となります。

 

口腔内のかみ合わせの診査には、顎にとって楽な位置と歯並びが一番かみ合う位置のずれをみたり、顎関節の骨の状態や周囲の筋肉の状態を診査します。

 

歯並びが体の動きにとって適切な位置関係にない場合には、顎が疲れやすくなったりするので、無意識に咀嚼回数が少なくても済むような食材を選びがちになることがあります。

 

胃酸の排泄機能を見るためには、血液検査が有効なので、血液検査を用いて消化する能力を推察しています。ペプシノーゲン法という方法を用いると胃酸の排泄能力や胃炎の有無を推定することができますので、病気を疑う場合には消化器内科の先生に内視鏡診査のお願いをするといった医科歯科連携をとることもあります。

 

実際の臨床では、患者さん個々の要望や背景とすり合わせて方針を決定する


かみ合わせの状態や食生活の内容や咀嚼回数の問診、胃腸の状態の診査などを通じて、現状維持のままできることや、積極的な治療を行うことによって得られるメリットなどを総合して患者さん個々と話し合って方針を決定していきます。

本当に簡単な例でいえば、舌のピリピリ感と全身に元気が出ないなどの不調を訴えていた方が、血液検査による栄養解析の結果から、鉄欠乏性貧血と慢性的な低血糖傾向および低胃酸排出による消化吸収能力の低下傾向であることがわかりました。

咀嚼回数の増加や、食前の酸味(お酢や梅干しの活用)による胃酸排泄促進、補食の活用、食生活の変更、市販のサプリメントの飲用を通じて症状が改善したこともあります。

サプリメントについてはやはり良し悪しはありますので、責任をもっておすすめできるのは当院で販売しているサプリメントとなりますが、サプリメント以外の要因によっても改善が見込めるのは今このブログを読んでいらっしゃる方にもプラスの情報なのではないでしょうか。


「よく噛んで食べてください」という指導はどこの診療科のお医者さんでもできるわけですが、咀嚼がちゃんとできる口腔状態かどうかを診査することができるのは歯科だけですので、口腔機能がみれる歯科という診療科ならではの指導内容ではないかと個人的には思います。

 

 

結果的には学生さんの医院見学を通じて自分も頭を整理できるよいきっかけになった

最初は、学生さんの見学の提案を受けた時は、「どんな学生が来るんだろう」「とりあえず歯科医院内をぐるっと歩いて見せればいいんだろうか」と考えていましたが、最初に思っていた以上に自分にとっても有意義な時間が過ごせたので良かったです。

 

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院長 手塚 充樹 歯科医師 歯学博士(口腔内科学専攻)

口の中のデータを全身の観点で解釈する専門家・探求家。 口腔内科学や歯周医学や分子整合栄養医学などの観点から、再発を抑える精密な歯科治療を推奨している。 診療分野は、口腔外科領域の治療、歯周組織再生療法、歯周外科、インプラント、ダイレクトボンディング、セラミック治療、根管治療など幅広く対応している。

先日、ASCというスタディーグループで、同年代の歯科医師たちに向けた講演を行いました。8月に若手向けに計画した講演が中止になったこともあり、この機会をとても楽しみにしていました。ASCの発表では、楽しく突っ込みが入り、活気あふれる雰囲気の中で学びを深める素晴らしい時間を過ごしました。

今回は、患者さんとの信頼関係をどのように構築するか、そして医院全体のチームビルディングをどのように達成するかについての内容を中心にお話ししました。特に手技や知識が目的を覆い隠さないようにすることが大切です。例として、単純エックス線写真を用いることで患者さんに信頼感を与える方法を詳しく解説しました。

講演では約90分かけて、口腔外科と口腔内科の観点からの症例を整理しました。口腔外科では、親知らず周辺の含歯性嚢胞や上顎洞の腫瘍疑い、根尖性歯周炎などの症例を取り上げ、注意深くその重要ポイントをお話ししました。口腔内科の観点からは、くる病や骨軟化症のX線所見に基づき、日常の診療でのビタミンDの重要性についても触れました。

また、久しぶりに同級生と再会し、お互いの経験を共有することで、さらなる刺激を受けました。こうした機会は、専門職としての成長に大きく役立つとともに、新しい視点を得る貴重な時間となりました。次回もまた新たな知識を持ち寄り、皆さんと共に成長していけることを楽しみにしています。

 

ビタミンDは顎の周りの筋肉も強くして噛めるお口を作る手助けになる。東京都港区新橋の予防歯科・口腔外科・矯正歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック

 

どうも、歯科医師・歯学博士の手塚充樹です。今回はビタミンDとお口の筋力の関係について大変興味深った研究を紹介します!

体の方の筋力との関連や、アレルギー、風邪など何かと話題が上がることが多いビタミンDですが、お口の中の状態とも密接に関わっています。

引用元の論文

高齢者のビタミンD不足と口腔の筋力:義歯の安定性との関連性

高齢になると、体全体の筋力が衰えるだけでなく、口元の筋力低下も問題となります。特に、この口元の筋力は義歯(別名、入れ歯)の安定性にも関係していると言われています。

 

研究の方法

38歳から75歳までの完全無歯顎患者130人が調査対象となったそうです。その調査の目的は、ビタミンDのレベルがこれらの患者の健康状態にどのような影響を及ぼすかを理解することだったとのこと。

この研究で選ばれた130人は、男性71.5%、女性28.5%、平均年齢60.62±6.94歳の患者だったそうです。研究の焦点は、ビタミンDの状態(S Vit D)と筋肉の厚さおよび活動性との関係を示すことです。

 

この研究の中で用いられているような、咬むための筋肉の筋力を測れる筋電図は当院でも測定できます。

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筋電図測定は、顎関節症などの病名がつけば保険診療で測定が可能です。

 

筋電図測定が有効なパターン

1.顎関節症がつらい

2.かみしめ癖がある

3.かぶせ物が壊れたり詰め物が外れやすい

4.口の機能が落ちてきていて、咬んでいると疲れる

 

こちらの咬筋の筋電図測定検査については、咬む力が強すぎる場合、もしくは弱すぎる場合に応じてそれぞれ対応方法があります。

今回の論文のように義歯を入れた方の機能を測るという意味でも有効ですね。

 

その他の研究にあたっての対象の選出条件


参加した方々全員が、顎関節症診断基準(DC/TMD)に基づき顎関節症の評価を受けたとあります。これは、病状の評価を正確に行い、調査対象として適切な人物を選ぶための基準となったそうです。
具体的な適格条件としては、症状がなく、無歯顎状態が1年以内で、顎関節症の診断から1年以内の方々が対象だったとのこと。また、歯槽骨隆起が高く新義歯を装用している方々も対象となったそうです。
また、全身疾患のある方々、薬物アレルギーのある方々、免疫薬物療法を受けている方々、虚弱体質で筋力が低下している可能性のある方々、筋ジストロフィーの可能性がある方々、外傷や歯周病で歯を失った方々などは、調査から除外されたとされています。

要するに、調査の結果に影響を及ぼすと考えられる病気を持っている方は研究対象から除外したということですね!

選ばれた全ての患者がビタミンDレベルの評価を受け、その結果に基づいて分類されたとあります。ビタミンDが十分な患者は対照群とされ、ビタミンDが不足している患者は治療群とされたそうです。
この研究は、ビタミンDの役割について深く理解するための新たな道を開くもので、特に全身の健康状態と口腔の健康状態の間の関連性に焦点を当てているとされています。

まさに全身と口腔のつながりですね。

 

研究結果

研究結果のまとめです。

1.ビタミンDの服用により、血中ビタミンDの平均値は有意な増加がみられた。

2.ビタミンDの服用から3ヵ月後と6ヵ月後には、重度の血中ビタミンD不足患者は認められず、血中ビタミンD不足の患者数は大幅に減少した。

3.血中ビタミンDレベルと筋肉の厚さおよび活動量との間には、時点によってさまざまな相関関係が認められた。

男性と女性では、レベル0とレベル6でS Vit Dの平均値が異なっていた。レベル0では統計的に有意な差が認められたが、レベル6では有意な差は認められなかった。

4.研究スタート時点においては、患者の職業がビタミンD値に有意な影響を与えた。

5.比較を行ったところ、3つの変数(血中ビタミンD、筋厚、筋活動)のすべてのレベルで有意差が観察された。

6.ビタミンD欠乏患者にビタミンDサプリメントを投与したところ、筋活動に改善がみられ、義歯の保持力にも改善が認められた。

 

結論

これらの知見は、ビタミンD欠乏患者におけるビタミンDサプリメント潜在的な利点と、筋肉の健康と義歯の保持への影響を強調するものである。

 


食生活とビタミンDの重要性


咀嚼力(食べ物を噛む力)が弱まると、食事内容に制約が出てきます。糖質、脂質、タンパク質といったエネルギー源主体の食生活が増え、微量栄養素(ビタミンやミネラルなど)が次第に不足してしまいます。これにより、細胞の働きに支障が生じ、徐々に老化や代謝障害による病気が現れる可能性があります。また、健康意識や活力の低下にもつながる可能性があります。


ビタミンD不足は誰にでも起こり得る


先日引用した研究によれば、ビタミンD不足という問題は、年齢や性別、好きな食べ物に関わらず、誰にでも起こり得ることが明らかになりました。しかし、職業や日照時間、住んでいる場所(都会か田舎か)などは、ビタミンDの濃度に影響を及ぼすとのことです。


ビタミンD不足の現状とその対策


一方で、心配なことに、この研究によれば、ビタミンDが十分に摂れている人はわずか2.3%しかいなかったという結果が出ています。この問題は、時に「栄養パンデミック」とも表現されます。しかし、希望を持つべきデータもあります。ビタミンD補給療法を3ヶ月行った結果、大多数の人(正確には62.3%)が十分なビタミンDを体内に確保できるようになったという報告があります。


ビタミンD摂取による筋力改善


さらに、ビタミンD摂取により、咀嚼に必要な筋肉、いわゆる咀嚼筋(特に顎周辺の筋肉)の厚みと活動が改善されたとの結果が示されました。つまり、ビタミンDの摂取だけで筋トレの効果が得られるということです。
食事のバリエーションと全身の筋力
咬む力が回復すると、食べられる食材のバリエーションも増えるでしょう。そして、ビタミンDが全身の筋肉量を維持する助けになるとすれば、筋肉量の減少に伴う体の虚弱状態(サルコペニアなど)の改善や運動機能の向上も期待できます。


ビタミンD療法の推奨


ビタミンD欠乏症がいかに広く、どれほど深刻な影響を及ぼしているかを考慮すると、研究者たちは歯のない高齢者の栄養介入としてビタミンD療法を強く推奨しています。

 

ビタミンDの不足はどうやって調べる?

ビタミンDはビタミンの中でも唯一、血液検査で過不足がわかりやすいビタミンです。

血液検査をおこなえばすぐに血中濃度で判断ができますよ。当院でも測定ができますのでご希望があればお気軽にお問い合わせください。

 

食材では摂りきれないものにも焦点を当てて健康で長く過ごすサポート

患者さんに対しては、何を食べるべきかだけでなく、ビタミンDについても考慮することが大切です。私たちは来院された方々の健康状態の向上をサポートしたいと考えています。

 

引用元

 

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院長 手塚 充樹 歯科医師 歯学博士(口腔内科学専攻)

口の中のデータを全身の観点で解釈する専門家・探求家。 口腔内科学や歯周医学や分子整合栄養医学などの観点から、再発を抑える精密な歯科治療を推奨している。 診療分野は、口腔外科領域の治療、歯周組織再生療法、歯周外科、インプラント、ダイレクトボンディング、セラミック治療、根管治療など幅広く対応している。

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ヘルシーライフデンタルクリニック 〒105-0004 東京都港区新橋1-17-2ダイワロイネットホテル新橋B1F 「口から未来を明るく、美しく」

 

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「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)が発表になって歯科医師はどう動く?東京都港区新橋の予防歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック

「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)とは??

日本の経済政策を決める重要な決定であるとされています。

 

骨太の方針とは?

基本策を諮問会議で、具体策を財務省で決めることから、骨や軸がしっかりしている様を名前に込めたとされる。

                          wikipediaより引用

 

「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)が発表になりました。

以下、歯科医療に関わる部分を抜粋してみました。

2023年政府の骨太の方針より抜粋

健康寿命を延伸し、高齢者の労働参加を拡大するためにも、健康づくり・予防・重症化 予防を強化し、デジタル技術を活用したヘルスケアイノベーションの推進やデジタルヘル スを含めた医療分野のスタートアップへの伴走支援などの環境整備に取り組むとともに、 第3期データヘルス計画を見据え、エビデンスに基づく保健事業255を推進する。リハビリ テーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進を図る。全身の健康と口腔の健康に関す る科学的根拠の集積・活用と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる 国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につな がる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医科歯科連携を始めとする関 係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた 対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の 構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。計 画256に基づき、がんの早期発見・早期治療のためのリスクに応じたがん検診の実施や適切 な時機でのがん遺伝子パネル検査の実施、小児がん等に係る治療薬へのアクセス改善など のがん対策及び循環器病対策を推進する。また、難聴対策、難病対策、移植医療対策257、 慢性腎臓病対策、アレルギー疾患対策、メンタルヘルス対策、栄養対策等を着実に推進す る。

 

歯科の注目度は依然として高い状態を維持

この新たな骨太の方針が示す通り、歯科医療がこれまで以上に国から注目され、国民皆歯科検診を推進する方向に動いています。
さらに、デジタルヘルスも重視されていて、ウェラブルデバイスなどを用いた健康管理が期待されています。ICT(情報通信技術)の活用も進められており、歯科医療機関がこれらのテクノロジーを使いこなすことは今後の大きな課題となるでしょう。

 

 

ウェラブルデバイスにかける期待

私自身もウェラブルデバイスとして、腕時計タイプのものを着用していますが、睡眠時間や運動の記録の目安として多いに重宝しています。

 

私の個人的な願いとしては、ウェラブルデバイスが口腔の健康状態も察知してくれたらすごく良いのになと感じています。なぜなら、口腔の健康状態の悪化は自覚症状に乏しく、なかなか気づかないためです。日本には、歯ぐきに何らかの問題を抱えていても歯科医院を受診していない人口が少なくとも数千万人はいると推定されています。

 

自覚しにくいものをわかりやすくする意味では、ウェラブルデバイスみたいなものの活躍は必須かもしれないですね。

 

その一方で、口腔の健康状態が全身の健康状態と密接に関わっていることが科学的にはどんどん証明されてきています。

 

「国民皆歯科検診」みたいな半ば強制的とも印象付けられるようなものに対する反発の声をSNS上で見かけることもありますが、口腔環境を良くしておく「意識」は重要です。

 

 

過去から続いている保険診療適応の材料では、材料費の高騰が急に生じたり、安定しなくなってきた。

金属の価格高騰により患者の負担が増えている現状を踏まえ、国は市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進するとの指針を示しています。これはまさに時宜にかなった方針と言えるでしょう。経済や世界情勢により変動する材料価格に左右されないため、安定的な歯科医療提供が可能となります。

 

私の願いを言えば、歯の保存のために最大限活用できるセラミックのような素材が適応されればそれはすごい改革だと思います。

 

私の診療経験からは、歯の保存が難しいときも、歯の根管治療とセラミックによるかぶせ物の治療でかなり長持ちさせられるケースもあることを実感しています。

 

その内容については私のYoutube動画でも紹介しています。


www.youtube.com

 

 


www.youtube.com

 

 

興味深いのは高齢者の労働参加を拡大する目的があると記されていること

そして、何より興味深いのは、「高齢者の労働参加を拡大するため」という目的が述べられている点です。高齢者の口腔健康が、労働力の維持に直接寄与するという認識は新しい視点であり、歯科医療の重要性を更に高めています。

 

昨今の日本の高齢化事情や、人口減少事情は世界的にもトップクラスに早いタイミングで直面している問題です。

 

人口減少が起きている一方で、今後100歳以上まで生きる方、いわゆる「百寿者」の数も増えていくと予想される中、健康状態が良好な方は働けるまで働けるように労働参加を促す動きがあるようです。

 

このように新たな骨太の方針は、歯科医療に新たな展望と課題を提示しています。

歯科医師としては、これらの政策方針を踏まえた上で、新たな取り組みを進めていく必要があると感じています。来院される方々に対しても、これらの新たな動きを説明し、より良い歯科医療を提供していくことを考えています。


以上、新たな骨太の方針の発表から見える歯科医療の新たな動きについて解説しました。これからの歯科医療の進化に、私たち歯科医師としても期待と挑戦の気持ちで臨んでいきたいと思います。

 

 

健康は健口から

まとめると口の健康は体の状態を健康に保つことに重要ですので、なにかお困りなことがあればお気軽にお問い合わせくださいね。

 

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院長 手塚 充樹 歯科医師 歯学博士(口腔内科学専攻)

口の中のデータを全身の観点で解釈する専門家・探求家。 口腔内科学や歯周医学や分子整合栄養医学などの観点から、再発を抑える精密な歯科治療を推奨している。 診療分野は、口腔外科領域の治療、歯周組織再生療法、歯周外科、インプラント、ダイレクトボンディング、セラミック治療、根管治療など幅広く対応している。

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ヘルシーライフデンタルクリニック 〒105-0004 東京都港区新橋1-17-2ダイワロイネットホテル新橋B1F 「口から未来を明るく、美しく」

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当院でお勧めしている歯ブラシ

噛むことで健康に!タンパク質の摂取・消化吸収・代謝について

なぜ口の中を健康にしておくことが体の健康に繋がる?

 

どうも、歯科医医師・歯学博士の手塚充樹と申します。よろしくお願いいたします。

今回のブログは、なぜ口の中を健康にしておくことが体の健康に繋がるのかを、歯科医師・歯学博士の立場からご説明します。

健康寿命延伸研究会 KJEKという勉強会をやっておりまして、一般の方にも健康寿命延伸や健康関連、お口関連の情報を提供していきたく、イベントやセミナーなども企画していく予定ですので、良ければLINE公式アカウントなどチェックしてみてください。

 

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噛むことがどうやって健康にかかわっている?

 

 

今日は噛むことについてお話をしたいと思います。

歯がたくさんあることは大事なことだというのは、皆さんご存じだと思います。歯がないことは健康にも悪いことだというのは、判ってくださっていると思います。

では歯がなくなることによるデメリットは栄養面ではどんなことでしょう?

 

今回のブログの内容を音声で聴いた方が楽だ、という方はこちらからどうぞ↓

 

 

 

 

 

噛むことをタンパク質の代謝の観点から。噛める食べ物?噛めない食べ物?

 

噛むことがどれだけ体の健康に関わっているかということを、まずはタンパク質の代謝から説明したいと思います。

人は歯がない状態とある状態で、無意識、もしくは意識して、徐々に噛み応えがあるものを避けてしまう傾向があります。

たとえば噛み応えがあるものでいうと、噛み切りにくいお肉、魚、ピーナッツ、ナッツ類、海藻類、生野菜とか。非常にミネラル、ビタミン、あとはタンパク質。

 

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やはりタンパク質は肉や魚に多く含まれます。噛まないと、細かく分解しないと、なかなか体に吸収できないものが多いんです。

なので工夫して食べるなどしない限り、だいたいの方は空腹感を満たすため、外食が中心だとお米やうどんなど、食べやすいものが主体になりがちです。

これが糖質、これがタンパク質、これが脂質、と考えながら食事をしてらっしゃる方はあまり多くないと思います。

なので余計に、エネルギーとして腹持ちが良いし蓄えられるということで、うどんを選んだりされると思います。好みでカレーライスが好きで、カレーが食べやすいからカレーを食べる、となっていきます。

ほとんどの方は「あまりタンパク質が入ってないな」とか考えながら食べていないと思うんです。

 

各栄養素の役割を考えないで食べ物を選ぶ前提の元に立つのであれば、やはり歯を綺麗に残しておくことが大事です。

無意識でも、噛み応えがあるものも食べるようになるからです。たまにステーキ屋さんにも足を運ぶようになると思います。徐々に食べれないものが増えてくることがないので、そういう意味でも歯は大事なんです。

 

ヒトのエネルギー源は?

 

人間は、糖質、タンパク質、脂質、全部エネルギーの元にできます。

なぜそれを意識しなければいけないのか。

実は体はタンパク質をアミノ酸に分解して体の中にプールしているんです。体には「アミノ酸プール」という概念があって、その貯金の中から、新しくタンパク質を作る。たとえばウィルスに対する免疫のために必要なタンパク質だったり、筋肉を作るためのタンパク質だったり。タンパク質が足りなくなると、そういった有益なタンパク質を作るために自分の筋肉などを壊してなんとか原料を得ようとする。ここで、日ごろからタンパク質を摂取し消化吸収・代謝できている方と違いが大きく出るんです。

 

 

サルコペニアという筋肉が減少する状態とは?

 

タンパク質が食べれていて、食べ物からしっかり供給が入ってくれば異常なことは起きません。足りないと、自分の筋肉を壊してアミノ酸に分解し、それをエネルギーの代謝、人間のガソリンを燃やすのに使ってしまったりします。

たとえば糖尿病が非常に進行してくると、筋肉が痩せてきてしまう。糖尿病というと自己管理ができていなくて太っている方を想像されるかもしれませんが、逆に痩せてきてしまう現象が起きたりします。それが結果的にはサルコペニアといって、筋肉量が少なくなって、高齢者になったときに虚弱体質みたいになってしまうことが今問題視されています。

 

歯がないこととタンパク質の関係?

 

その源流というか、食事選びでだんだん無意識にタンパク質が減ってしまう原因のひとつは、「歯がないこと」になってしまいます。しっかりした歯と噛める状態を作っておくこと。タンパク質の代謝が低下することで、筋肉が最終的には痩せてくる方向にも行くということです。

 

あとはタンパク質が、精神を司っている神経伝達物質セロトニンメラトニン、寝るために必要なホルモン、精神を安定させるためのホルモンを作る原料になっています。人間はそれを原料にして、ビタミンやミネラルを使って、寝るためのホルモン等を作っているんです。

肉や魚が食べられなくなったところで、圧倒的タンパク質の摂取量が減ってしまうことになりかねません。精神的にも低タンパクが不安定を引き起こしてしまうこともあります。うつ症状などが出てきやすくなったり、眠りの質が低下してしまったりすることがあります。

 

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なのでやっぱり、サプリメントなどを賢く選ぶことも場合によっては有効なんですが、「基本は食事から」というのが大原則です。しかしながら、基本は食事からとか食事はバランスよくとかいわれても、何を食べれば良いのか、ということはいまいちピンとこないこともありますよね。

 

 

噛み応えがあるものは栄養価が豊富なことが多い

 

ひとつ今日はタンパク質ということ、噛み応えのあるものにタンパク質が多い。もしくはミネラルやビタミンが含まれていることが多い。そういうことをまず知って頂いて。

人生100年時代なんて言われています。すごく長く感じる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。その間ずっと元気で生きていくのと同時に、楽しく食事ができるためには、やはりたまには肉も食べたいでしょうし、焼肉やステーキも食べたいでしょう。他にも噛み応えがある美味しいものはたくさんあると思います。

食感を楽しむこと、食事の内容を楽しむことが、結局は栄養バランスも整うことに繋がるので「バランスの良い食事を心がけましょう」という漠然とした言葉がいろんなところで言われていると思います。

 

ひとつ今日覚えて頂きたいのは、タンパク質の摂取が減ってくると、筋肉も痩せてきたり、弱い体になっていくことがあり、精神的にも弱い状態になりがちです。タンパク質がすべてではないんですが、ひとつ、歯がないことによってタンパク質と糖分のバランスの乱れが引き起こされることも多いので、良ければ参考にしてほしいと思います。

 

あなたの噛める能力を判定する検査とは?

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グルコセンサーGS-Ⅱという糖分を測定する機器

ちなみに最近保険診療で、「歯がなくなってしまった方がどれくらい噛めているのか」という検査が、グミを噛んでどれだけグミを噛み砕けているかを測る検査が、歯科の分野で出始めています。

すでに歯を失ってしまった方も、入れ歯が合っていない状態でグミの検査をして、良い入れ歯、合っている入れ歯を作ってみて、その入れ歯が入ったときにもう1回同じグミを噛んでみて、どれだけ切り刻めているのかをドクターと患者さんで理解して、お食事の内容も相談しながら決めていくことが、お体の健康を守ることに繋がります。

「すでに歯がないんだけどどうしよう」と思っている方がいらっしゃれば、そうやって測ることができるようになっているので参考にしてみてください。

 

 

健康寿命延伸研究会 KJEKの今後の活動

今回の噛むことについては僕も非常に大事だと思っているので、このグミの検査を活用したような一般の方向けのイベントとか、お料理を作ることについてとか、どんな食材を食べるべきか、なんていう話もKJEKの勉強会発信でなにかできたらいいなと思っています。

そういったイベントなどに参加する、ご興味がおありだったり、もしくはご家族で興味関心がある方がいらっしゃれば、当研究会のLINE公式アカウントをおすすめ頂くと、通知がタイムラインなどに表示していくと思います。

もし直接受け取りたいという方はチャット等、もしくはスタンプ等を送って頂ければ直接紐づけることができます。ダイレクトなお問い合わせややり取りも可能になりますので、無料なのでぜひ登録してみてください。

 

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手塚 充樹の活動内容

 

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ビタミンDの大事さが伝わらない日本

健康効果が次々に見つかるビタミンDについて

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どうも歯科医師・歯学博士の手塚充樹です。

東京都港区新橋の歯科 ヘルシーライフデンタルクリニックの院長をやっております。

健康寿命延伸研究会 KJEKを主催して、日々口腔の健康と全身の健康を繋げるため、医療従事者や関心が高い方とつながりをもっています。

分子栄養学・分子整合栄養医学などを学んでいるため、全身の健康に関与する栄養素についてブログに記載しています。

 

ビタミンDがドイツやフランスでは冬のド定番ってホント?

ドイツでは、冬季うつを予防するために、日焼けサロンに入る方がいたり、寒い時期になると薬局の前面にずらりとビタミンDコーナーができるそうです。

また、フランスの友人から聞いた話ですが、冬に友人に会うと「今年はもうビタミンD飲んだ?」という挨拶が存在するほど皆さん意識をしているそうです。

今回のブログは、そのビタミンDについて少し記載したいと思います。

 

 

ビタミンDってなに?

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)の総称とされています。

主に、植物にはビタミンD2が存在していて、動物にはビタミンD3が存在しています。

過去から、ビタミンDは骨の代謝に深く関わるといわれており、カルシウムやリンの代謝のためにビタミンDの摂取が必須になります。

近年では、多くの方にビタミンD不足の傾向があり、小児が急に立てなくなったり歩行できなくなったりすることの原因が、ビタミンD不足の「くる病」という疾患だったという例もあったそうです。

 

ビタミンDが不足する理由は?

ビタミンDの摂取源は、食品やサプリメントから摂取されたものと、皮膚が紫外線を受けて、コレステロールから合成されるものがあります。

食材以外でビタミンDが不足する要因としては、日焼け止めの塗布や、日差しを過度に避ける生活、外出自粛により室内での生活により日光に当たらない生活、食生活の偏り、曇りや雨が多い地域の居住などの原因が考えれられます。

 

 

ビタミンDの効果は骨をつくることだけ?

 

ビタミンDの効果は、骨をつくることだけではありません。むしろもっと最近の私たちにとって大事な効果がたくさんあります。

 

そのため、「ビタミン」という昔の「補酵素」という、ちょっとあれば足りるお助けマン的な存在感ではなく、もっと重要な「ホルモン」と同義の働きをすることが分かっています。

 

では、ビタミンDにはどのような効果があるんでしょうか。

 

一つは免疫機能の調整です。免疫が過剰に暴れないようにしたり、時には免疫機能を活性化させることに関わったりしてバランスを取る役割をしています。

アレルギーとも深い関わりがあります。

 

その他、腸内環境を改善したりいろいろな効果が確認されているので、以下のリンクの音声でも紹介しています。

 

 

 

 健康寿命延伸研究会 KJEKについて

 

健康寿命延伸研究会 KJEKでは、医療従事者のメンバーを募集しています。

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子供のむし歯を作らないようにするための食事法とは?

子供のむし歯を作らないようにするための食事法とは?

 

どうも歯科医師・歯学博士の手塚充樹と申します。

 

お子さんの虫歯が出来ないようにしたいと考えている若いパパママに向けて発信します。

 

 

子供にむし歯になってほしいと思う親はいない?

恐らく子供に虫歯になってほしいと思っている親はいないと思います。

 

むし歯になると歯科医院に連れて行かなきゃいけなくなったり、お子さんが治療の際に泣いてしまったり、色々嫌だと思うこともあるかもしれません。

 

 

良く噛むことはなぜよい?

 

第1に、よく噛むことというのがとても重要になります。

 

その理由は、むし歯にならないようにするためということだけではなく、体全体の健康を作るためにとても大事なことです。

 

唾液が出ることを促すことで、消化に必要な酵素が唾液から沢山食べ物とからみます。

 

唾液は、抗菌物質も含むので免疫にもとても大事です。

 

噛むことは唾液以外にも、脳にも良い刺激を与えます。

 

歯と骨は直接くっついているわけではなく、「歯根膜」という組織が間にあります。

 

この歯根膜のおかげで硬い物、柔らかい物、キャベツやパンなどの食感が違うものが脳でわかるようになっています。

 

この歯根膜には細い血管も通っていて、骨と歯の間にウォーターベッドのような恰好で存在しています。

 

血管が縮んだり開いたり、噛むことによる刺激が伝わります。

 

歯の周りを支えている骨は、「歯槽突起 しそうとっき」といって、突起状の骨です。

 

突起という名前がつくのは、歯の周りを支えるためだけに顎の骨から伸びてきているからです。

 

そのため、歯にあまりかみ合わせの力がかからなかったり、歯が抜けたりすると歯槽突起は徐々に吸収されていって骨が痩せてきます。

 

 

 

糖質の早食いはむし歯の発生だけでなく、ストレス、知能低下も?

 

お子さんは消化機能が未発達なうちはタンパク質の消化もあまりよくできなかったりするので、よく噛んだ方が良いですし、果物や野菜などから、糖質を摂取する機会が増えると思います。

 

そういったような、糖質を早食いしてしまうと、お子さんでも血糖値を急上昇させてしまうことに繋がりますので、血糖値の急降下を招き、精神的なストレスに繋がることもあります。

 

血糖値が急降下すると、体が踏ん張ってまた血糖値を正常なレベルまで押し上げる必要が出てくるためです。その際にコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。

 

また、お子さんの口内炎ができやすいことに悩んでる親もいらっしゃるかもしれませんが、口内炎ができやすい原因のひとつに、ビタミンBの欠乏があります。

 

糖類を摂取するたびに、代謝するためにビタミンBを消費するので、あまり大量の糖質を摂りすぎると、ビタミンBが足りなくなって、口内炎ができやすくなる可能性があります。

 

先ほどお話したように、ただでさえタンパク質の摂取量はそんなに取れないので、大量のビタミンB群を取るようにするよりも、糖質の取り方をちゃんと考えてあげることでビタミンBの消費を抑えていくことが良いと思います。

 

例えば以下のような書籍もお勧めです↓

 

医師が教える子供の食事大全 | 櫻本 美輪子, 定 真理子 |本 | 通販 | Amazon

 

 

 

 

 

 

 

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