HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

噛むことで健康に!タンパク質の摂取・消化吸収・代謝について

なぜ口の中を健康にしておくことが体の健康に繋がる?

 

どうも、歯科医医師・歯学博士の手塚充樹と申します。よろしくお願いいたします。

今回のブログは、なぜ口の中を健康にしておくことが体の健康に繋がるのかを、歯科医師・歯学博士の立場からご説明します。

健康寿命延伸研究会 KJEKという勉強会をやっておりまして、一般の方にも健康寿命延伸や健康関連、お口関連の情報を提供していきたく、イベントやセミナーなども企画していく予定ですので、良ければLINE公式アカウントなどチェックしてみてください。

 

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噛むことがどうやって健康にかかわっている?

 

 

今日は噛むことについてお話をしたいと思います。

歯がたくさんあることは大事なことだというのは、皆さんご存じだと思います。歯がないことは健康にも悪いことだというのは、判ってくださっていると思います。

では歯がなくなることによるデメリットは栄養面ではどんなことでしょう?

 

今回のブログの内容を音声で聴いた方が楽だ、という方はこちらからどうぞ↓

 

 

 

 

 

噛むことをタンパク質の代謝の観点から。噛める食べ物?噛めない食べ物?

 

噛むことがどれだけ体の健康に関わっているかということを、まずはタンパク質の代謝から説明したいと思います。

人は歯がない状態とある状態で、無意識、もしくは意識して、徐々に噛み応えがあるものを避けてしまう傾向があります。

たとえば噛み応えがあるものでいうと、噛み切りにくいお肉、魚、ピーナッツ、ナッツ類、海藻類、生野菜とか。非常にミネラル、ビタミン、あとはタンパク質。

 

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やはりタンパク質は肉や魚に多く含まれます。噛まないと、細かく分解しないと、なかなか体に吸収できないものが多いんです。

なので工夫して食べるなどしない限り、だいたいの方は空腹感を満たすため、外食が中心だとお米やうどんなど、食べやすいものが主体になりがちです。

これが糖質、これがタンパク質、これが脂質、と考えながら食事をしてらっしゃる方はあまり多くないと思います。

なので余計に、エネルギーとして腹持ちが良いし蓄えられるということで、うどんを選んだりされると思います。好みでカレーライスが好きで、カレーが食べやすいからカレーを食べる、となっていきます。

ほとんどの方は「あまりタンパク質が入ってないな」とか考えながら食べていないと思うんです。

 

各栄養素の役割を考えないで食べ物を選ぶ前提の元に立つのであれば、やはり歯を綺麗に残しておくことが大事です。

無意識でも、噛み応えがあるものも食べるようになるからです。たまにステーキ屋さんにも足を運ぶようになると思います。徐々に食べれないものが増えてくることがないので、そういう意味でも歯は大事なんです。

 

ヒトのエネルギー源は?

 

人間は、糖質、タンパク質、脂質、全部エネルギーの元にできます。

なぜそれを意識しなければいけないのか。

実は体はタンパク質をアミノ酸に分解して体の中にプールしているんです。体には「アミノ酸プール」という概念があって、その貯金の中から、新しくタンパク質を作る。たとえばウィルスに対する免疫のために必要なタンパク質だったり、筋肉を作るためのタンパク質だったり。タンパク質が足りなくなると、そういった有益なタンパク質を作るために自分の筋肉などを壊してなんとか原料を得ようとする。ここで、日ごろからタンパク質を摂取し消化吸収・代謝できている方と違いが大きく出るんです。

 

 

サルコペニアという筋肉が減少する状態とは?

 

タンパク質が食べれていて、食べ物からしっかり供給が入ってくれば異常なことは起きません。足りないと、自分の筋肉を壊してアミノ酸に分解し、それをエネルギーの代謝、人間のガソリンを燃やすのに使ってしまったりします。

たとえば糖尿病が非常に進行してくると、筋肉が痩せてきてしまう。糖尿病というと自己管理ができていなくて太っている方を想像されるかもしれませんが、逆に痩せてきてしまう現象が起きたりします。それが結果的にはサルコペニアといって、筋肉量が少なくなって、高齢者になったときに虚弱体質みたいになってしまうことが今問題視されています。

 

歯がないこととタンパク質の関係?

 

その源流というか、食事選びでだんだん無意識にタンパク質が減ってしまう原因のひとつは、「歯がないこと」になってしまいます。しっかりした歯と噛める状態を作っておくこと。タンパク質の代謝が低下することで、筋肉が最終的には痩せてくる方向にも行くということです。

 

あとはタンパク質が、精神を司っている神経伝達物質セロトニンメラトニン、寝るために必要なホルモン、精神を安定させるためのホルモンを作る原料になっています。人間はそれを原料にして、ビタミンやミネラルを使って、寝るためのホルモン等を作っているんです。

肉や魚が食べられなくなったところで、圧倒的タンパク質の摂取量が減ってしまうことになりかねません。精神的にも低タンパクが不安定を引き起こしてしまうこともあります。うつ症状などが出てきやすくなったり、眠りの質が低下してしまったりすることがあります。

 

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なのでやっぱり、サプリメントなどを賢く選ぶことも場合によっては有効なんですが、「基本は食事から」というのが大原則です。しかしながら、基本は食事からとか食事はバランスよくとかいわれても、何を食べれば良いのか、ということはいまいちピンとこないこともありますよね。

 

 

噛み応えがあるものは栄養価が豊富なことが多い

 

ひとつ今日はタンパク質ということ、噛み応えのあるものにタンパク質が多い。もしくはミネラルやビタミンが含まれていることが多い。そういうことをまず知って頂いて。

人生100年時代なんて言われています。すごく長く感じる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。その間ずっと元気で生きていくのと同時に、楽しく食事ができるためには、やはりたまには肉も食べたいでしょうし、焼肉やステーキも食べたいでしょう。他にも噛み応えがある美味しいものはたくさんあると思います。

食感を楽しむこと、食事の内容を楽しむことが、結局は栄養バランスも整うことに繋がるので「バランスの良い食事を心がけましょう」という漠然とした言葉がいろんなところで言われていると思います。

 

ひとつ今日覚えて頂きたいのは、タンパク質の摂取が減ってくると、筋肉も痩せてきたり、弱い体になっていくことがあり、精神的にも弱い状態になりがちです。タンパク質がすべてではないんですが、ひとつ、歯がないことによってタンパク質と糖分のバランスの乱れが引き起こされることも多いので、良ければ参考にしてほしいと思います。

 

あなたの噛める能力を判定する検査とは?

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グルコセンサーGS-Ⅱという糖分を測定する機器

ちなみに最近保険診療で、「歯がなくなってしまった方がどれくらい噛めているのか」という検査が、グミを噛んでどれだけグミを噛み砕けているかを測る検査が、歯科の分野で出始めています。

すでに歯を失ってしまった方も、入れ歯が合っていない状態でグミの検査をして、良い入れ歯、合っている入れ歯を作ってみて、その入れ歯が入ったときにもう1回同じグミを噛んでみて、どれだけ切り刻めているのかをドクターと患者さんで理解して、お食事の内容も相談しながら決めていくことが、お体の健康を守ることに繋がります。

「すでに歯がないんだけどどうしよう」と思っている方がいらっしゃれば、そうやって測ることができるようになっているので参考にしてみてください。

 

 

健康寿命延伸研究会 KJEKの今後の活動

今回の噛むことについては僕も非常に大事だと思っているので、このグミの検査を活用したような一般の方向けのイベントとか、お料理を作ることについてとか、どんな食材を食べるべきか、なんていう話もKJEKの勉強会発信でなにかできたらいいなと思っています。

そういったイベントなどに参加する、ご興味がおありだったり、もしくはご家族で興味関心がある方がいらっしゃれば、当研究会のLINE公式アカウントをおすすめ頂くと、通知がタイムラインなどに表示していくと思います。

もし直接受け取りたいという方はチャット等、もしくはスタンプ等を送って頂ければ直接紐づけることができます。ダイレクトなお問い合わせややり取りも可能になりますので、無料なのでぜひ登録してみてください。

 

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