こんにちは歯科医師 歯学博士(口腔内科学専攻)の手塚充樹です。
老化≒病気
今日は老化という現象が病気とかなり近いものだということが分かってきたということについてブログにしたいと思います。
老化って防げない、年々必ず起こる現象?
皆さんは老化と聞くと今までは必ず年々起こることで防ぎようのないものだと思って思いたのではないでしょうか?
実は最近老化現象というものが病気として認識できるようになってきているといわれています。
病気として捉えられるということは治すこと、病態の進行を遅らせたり止めるができるということを意味します。
老化現象というと、なんとなく、ヨボヨボになるイメージ、おじいちゃん、おばあちゃんになるイメージがあるかもしれませんね。
見た目だけではなくて、体の内面の老化が重要です。
成人したての若いころからも日々起こっています。
老化と生活習慣病
「生活習慣病」という言葉は今や有名かもしれませんが、高血圧症や糖尿病、糖尿病による腎臓や目などへの障害、脂質代謝の異常などのことを指します。
これらの病気は、もっとひどい状態、アルツハイマー型認知症や心筋梗塞、脳梗塞、アテローム性動脈硬化症、下肢切断、骨折、寝たきり、失明などなどいわゆる人の健康寿命を短くしてしまうと考えられています。
この生活習慣病、老化現象と密接な関わりがあることから、老化を日々抑えていければ、結果的に人の健康寿命を延ばすことにもつながることが期待できます。
世界の専門家や富裕層は今までの常識では聞いたこともないような物質を摂取している
今、世界の予防医療の専門家や、世界の富裕層の間では、一般的な予防に興味がない方が聞いたこともないような物質をサプリメントなどで摂取しています。
腸内環境が悪くなるとは?
近年ではどうやら腸内環境の悪化や、腸の粘膜の荒れや腸内細菌の数や種類が少なくなって、バリエーションが乏しくなったり、腸の長さそのものが短くなってしまうことが問題視されています。
腸内環境が荒れていると、食事や飲みもの、栄養素全般から良いものだけではなくて悪いものまで身体に吸収してしまうことも知られており結果的に体内に炎症を起こしてしまったり、エネルギー代謝が悪くなるということがわかっています。
炎症が起きているとフリーラジカルというものが発生するので結果的に細胞がダメージを受けることで老化が促進されていきます。
ということで、腸内環境が老化の鍵と言われてきています。
”老化の鍵”である腸内環境と歯科医師の仕事の関わり
そこで、果たしてそこに私歯科医師がどのように関わっていけば腸内環境を守り老化を遅らせることができるかということも、このブログで伝えていきたいです。
口・腸・脳が肝腎
腸より手前にある消化管は?
腸は確かにものすごく大事な消化器官であることは間違いはありません。
その手前にある消化管はなんでしょう?
実はお口の中も消化管の一つであり最も上流に存在している消化管は口です(厳密にいえば、人は目や鼻で食べ物を感知しただけでも消化活動を始めます)。
お口の中の細菌叢(マイクロバイオーム)
お口の中にも細菌叢(マイクロバイオーム)というものが存在していて細菌の総数は百億個以上といわれております。
お口の中にも、腸内環境と同様に善玉菌・日和見菌・悪玉菌という三種類の菌がいることが分かっています。
食生活や歯みがきの習慣などによって、菌のバランスが乱れて悪玉菌が増えると歯周病が発症したりすることが知られてきています。
さらに、お口の中に悪玉菌が増えることで、それらは食事と一緒に胃腸の方へ流れていきますので、お口から始まって悪玉菌が腸の中で定着してしまうということも分かってきており、その結果、腸だけではなく肝臓に炎症を起こしてしまうケースもあります。
解毒に肝腎な臓器
肝心(肝腎)という言葉がありますが、肝臓や腎臓は解毒に対して働いている、非常に大事な臓器です。
肝臓に炎症が常に怒っていると解毒のプロセスも阻害されてしまいます。
食事の中に毒は含まれる?
毒といえば何を想像しますか?
昨今の現代人の食生活の中では、農薬や添加物などの微量な毒素が常に体の中に入ってくるので、解毒のプロセスはしっかり機能させておかないといけません。豆類に含まれるアフラトキシンというカビ毒なども今となっては名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
解毒と言えば、サプリメントや点滴などで解毒をしていくやり方もありますが、そもそも炎症が取り除けていないとアプローチとしては弱いものになってしまうので、炎症を取ることは非常に大切です。
私は歯科医院の中でお口の中に炎症がある方の体の炎症まで測定していることがあるのですが、驚くことに、お口の中の炎症が体の炎症を引き起こしていることを強く疑う例が少なくありません。
その理由は、お口の中の炎症を抑えるために歯周病の治療などを行うことで全身の炎症が治まってきていることが確認されているからです。
口と腸どちらにも味覚がある
口と腸どちらにも味覚があるといわれてきています。
口に味覚があるのは当然ながら、腸にも味覚があるなんて信じられますか?
腸内には、糖と塩を一緒に取り込むチャンネルがあることが分かっています。
腸も栄養素を感じて取り込んでいるということで、生物学的な進化の過程で徐々に変化していって今に至ると考えられています。
腸が食欲を出すとなると脳も刺激される
腸が、「第二の脳」と称されることがあります。
腸が脳と考えられるほど、食欲や精神状態にまで関わっているからです。
脳がない生物はいるが、腸がない生物はいないといわれています。
腸があるということはどこかに口があるわけなので、口がない生物も非常に少ないのではないかと思いますが。
食生活の偏りによって、食欲が必要以上に増してしまったりすることもあるといわれています。
口・腸・脳が肝腎
今回のブログではお伝え出来なかった内容もありますが、なるべく簡単に、老化≒病気という話から、口と腸と脳と肝臓と腎臓などのつながりについて記しました。
次回をお楽しみに。