どうも、歯科医師の手塚充樹です。
今回は最終糖化産物(AGEs, advanced glycation end products)について記述します。
「体の中の糖とタンパク質がくっついてできた老化物質(なれの果ての物質)」と表現されるものです。
また、糖化は体の「焦げ」と表現され、焦げ自体も良くないのですが、体に発生する活性酸素による「サビ」も倍増させることがわかっているため見逃せない存在となっています。
当院でも、指先に光を当てて簡易にAGEsを測定できる検査があります。
近年、AGEsについてはNHKなどのテレビ番組で取り上げられることも増えてきていると聞きます。
1984年に初めて研究が始まり、2019年現在の35年程度の期間において文献が出版され研究されてきたのがAGEsです。
AGEsについてまとめ
AGEsについては、血糖値が高く保たれると、血管内を浮遊しているタンパク質などと非酵素反応(酵素がなくてもくっつける反応)でくっつくメイラード反応というものと関係しています。
しかしながら、AGEs自体そのものがAGEsをつくったり、身体に潜む炎症(歯周炎や歯肉炎、消化管の炎症など)がAGEsをつくったり、虚血やケトン体もAGEsをつくることがしられているそうです。
一つの経路だけでAGEsが作られるということではありませんので、それだけは知っていただきたいところです。
1.血糖値と関係がある
2.血管が硬くなる
3.顔のしわやしみ・たるみの原因となる
4.不妊傾向
5.認知症のリスクを上げる
6.歯周病原因菌の中にAGEsを産生する菌がいる
7.虚血や低血糖もAGEsをつくる
8.がんの内部にもAGEsが蓄積する
9.食材から入ってくるAGEsとは?
10.意外にAGEsが少ない日本食とは?
トピックスを挙げるだけでも結構AGEsでたくさんのお話ができてしまいそうです。
蓄積してほしくないものなんだということは、わかってきていますが、最終糖化産物は1種類ではないので複数形のsがついています。
糖尿病の治療効果の指標として用いられているHbA1c(ヘモグロビンA1c)という値は、「糖化ヘモグロビン」といって、赤血球が糖化したものを測定しています。
このヘモグロビンA1cもAGEsの1種と呼べます。
糖尿病も、合併症が多岐にわたり、病態が複雑なためHbA1cの数値の上下だけを追い求めても本当の治療につながらないこともあるそうです。
その理由の一つとして、その他の糖化産物であるAGEsでも説明つく部分があるといわれています。
今後、AGEsについて掘り下げた内容もブログに記載できればと思っています。
当院で比較的安価に検査できますので調べてみたい方はお気軽にお申し付けください。
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ヒトは口から美しくなる、長く幸福な人生を支援する
手塚 充樹
歯科医師 博士(歯学)
ヘルシーライフデンタルクリニック 院長