どうも、歯科医師の手塚充樹です。
今回のブログはビタミンAについてです。
1.「ビタミンAを妊娠中に摂取しない方がよい?」「ビタミンAは摂りすぎない方がよい?」
3.乳児の奇形で報告されているのは、妊娠初期のニキビの治療薬(レチノイン酸)
5.天然のビタミンAを含んだ食材やサプリメントは安心で必要な栄養素
1.「ビタミンAを妊娠中に摂取しない方がよい?」「ビタミンAは摂りすぎない方がよい?」
元々「ビタミン」とは、生命を意味するラテン語の「via」にちなんで、”生命活動に欠かせない「amine」(アミン:窒素を含むアミン化合物)”と命名された物質が、ビタミン vitaminである。と言われています。
ビタミンAは最初に発見されたビタミンです。
「ビタミン」という名前ですが、広義な呼び方になるため、いろいろと誤解をまねいたり、作用について細かく語るためには、さらに細かい分類を考えなければいけない場合があります。
たとえば「ビタミンAは摂りすぎない方がよい」とか、「妊娠中はビタミンAは摂らない方がよい」などです。
2.ビタミンAと呼べる物質にはたくさん種類がある
動物性食品(動物や魚類の肝臓や卵)に含まれる「レチノール」
植物性の食品(緑黄色野菜や果物)に含まれる「βカロチン」の2種類がある。
そして、体内ではレチノール、レチナール、レチノイン酸と、3種類の活性型で作用する。
「ビタミンA」と呼ぶだけで何種類も物質があるんですね。
3.乳児の奇形で報告されているのは、妊娠初期のニキビの治療薬(レチノイン酸)
赤ちゃんの二分脊椎や口唇裂、四肢の変形などビタミンAによる被害が報告されているのは合成のレチノイン酸のみなようです。
では、逆に摂取しなかった場合にはデメリットがあるんでしょうか。
4.お母さんの初乳中にはビタミンAがいっぱい
最近は母体の栄養素が不足していることによって母乳内の栄養素も不足してきていることも問題点となっています。
母乳には赤ちゃんを育て上げるために必要な栄養素がつまっています。
その母乳にもビタミンAが豊富に含まれているとのこと。
赤ちゃんを育てる為にもビタミンAが必須であることがわかりますよね。
5.天然のビタミンAを含んだ食材やサプリメントは安心で必要な栄養素
食材中のビタミンAはほとんどレチニルエステルといって不活性な形で存在していて、ヒトの身体の中でもタンパク質とくっついて、活性型にならないように厳重に管理されています。
6.ビタミンAの臨床応用
ビタミンAは、近年罹患する方が多い、逆流性食道炎にも効果が出ることがあります。
逆流性食道炎の方は慢性的に胃酸が逆流しているため、胃酸の影響によって食道の粘膜が胃の粘膜かのように変わってしまう「分化異常」という現象が起きていることがあるそうです。
そのような分化異常を是正する効果もビタミンAにみとめられています。
分化の異常を治すためにビタミンAを使う場合は、天然型のビタミンAを高用量摂取しないとなかなか効果が出てこないことが知られています。
私自身も、「分化転換」という現象について研究していた経緯があります。細胞に与える栄養素を変えてあげるだけで、細胞自身のふるまいが変わってしまうという現象です。
細胞に与える栄養素を変えるだけで、細胞が役割が変わることが証明されているため、私の中ではビタミンAの摂取によって食道粘膜の細胞のふるまいが変わったとしてもなんら不思議はありません。
ただ、お薬を飲んで、胃酸の分泌を抑え続けることと比べてどちらが健康的な治し方か。
それは患者さん個人個人のご判断にお任せしますが、胃酸はお肉やお魚などのタンパク質を分解して消化していくために大変重要です。
7.ビタミンAを含む食材
あん肝や、ウナギ肝、鶏や豚のレバー、ニンジン、モロヘイヤ、カボチャなどがあります。
それらの食べ物が苦手で食べれない方はビタミンAが不足しがちかもしれません。
消化管や皮膚のトラブルが多ければ要注意です。
どうしても食べられない場合は、高品質なサプリメントの活用も有効です。
なかなか毎日のように肝とか人参とかカボチャとか食べられない場合もありますよね。
私が実際にそうです。あん肝、レバーなどの料理は好きですが。
今は、自分の腕の柔らかいところに出来ているプチプチ(毛孔角化症)っぽい感じを、医療機関向けサプリメントのビタミンAや亜鉛、ビタミンDを使って消せるかどうか実験中です。
ということで、今回はビタミンAのお話でした。
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「ヒトは口から老いる、歯科から健康寿命を延伸する」
手塚 充樹
Mitsuki Tezuka
歯科医師 博士(歯学)
D.M.D. Ph.D.
ヘルシーライフデンタルクリニック院長