HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

バカにしてはいけない。毎日の食事。栄養素と身体の健康について

どうも、歯科医師の手塚です。

 

今回のテーマは、私が日頃もっとも大事にしていると言っても過言ではない、「栄養素と身体と歯の健康」についてです。

 

 

栄養素が身体の健康に関わっているか、なんていうことは百も承知という方も多いかと思います。

 

しかしながら、「どの栄養素がどんな症状に有効か」もしくは、「どの栄養素がどんな病気に対して悪い方向に働きかけるか」などが新たに発見されてきています。

 

その中で、私が担当しているお口の中の領域、歯ぐきの病気である「歯周炎」や、歯の病気である「虫歯」についても当然、どんな栄養素が関わっているかはわかってきています。

 

更に言うと、「歯の治療を続けているけれども、なかなか良くならない」「歯の痛みがとれない」「歯ぎしりが治らない」「歯のグラグラが治まらない」「歯磨きの度に歯ぐきから血が出る」などの数々のお口の中の症状。

歯石を除去したりクリーニングをするような、アプローチだけでは改善がイマイチ見られないこともあります。

これらも栄養素の問題や、身体の状態の不調が単に歯や歯ぐきに現れているというように考えることもできます。

 

身体の状態を、栄養状態の改善などから整える方が、虫歯になった歯を片っ端から削っていくよりも、根本的に治癒するための近道じゃないかとも考えています。

 

また、身体の状態がひとたび整ってしまえば、その後それを継続することで、今後、ご自身の身体に起こり得る疾患の予防に繋がります。

 

逆に、砂糖の摂取量が1日25g以上の人は、歯科医療費が年間一人当たり10000円ほど高かったというデータもあるようですよ。

 

今回は、ヒトが健康的な人生を長く過ごせるようにしてくれる強力な味方「栄養素」についてお話したいと思います。

 

 

寿命には種類がある?

 

人間には必ず寿命がありますが、寿命には種類があるのをご存じですか?

大きく分けて、「健康寿命」と「個体寿命」があります。

 

健康寿命は、2000年にWHOが提唱した

「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」

と定義されています。

 

一方、個体寿命は、ヒトが生まれてから死ぬまでの期間です。一般的には単純に「寿命」と呼ばれているものです。

ちなみに、

日本人の2010年の平均寿命は男性が79.6歳、女性が86.3歳となっています。これは生まれたばかりの赤ちゃんが死ぬまでの平均期間を示しています。

 

あなただったら、健康寿命と、個体寿命だったらどちらを延ばしたいですか?

 

できれば病気にかからずに、 健康でいられる年数を増やしたくないですか?

 

少なくとも私は、自分の健康寿命を延ばしたいと考えています。

 

私の仕事は身体が資本ですし、代わりきかないことも多いので今日は風邪をひいたとか、今日はどこかが痛いとか言ってられません。

 

仕事を楽しみ、ハツラツと人生を楽しみ、仕事をリタイアした後の老後も他の楽しみを見つけて生きて行こうと考えると、どう考えても「健康寿命」を延ばすことは欠かせません。

 

そもそも、人間の生物学的な寿命って、理論上は130歳と言われているんです。

 

私自身が130歳まで生きてやろうと考えているわけではありませんが、少なくとも生物学的にはそんなに長くヒトは生きられるんだっていうことを知ったら、せめて90歳以上とかまで生きられたらいいなーとか考えるようになりました。

 

しかし、この日本という国の中で、「老衰」という形で亡くなる方はほとんどいらっしゃらないと思いませんか?

 

大多数の方が「病死」をしているのが現状です。

 

その事実に対して、あきらめ、流れに身を任せるのも一つの考えるかも知れません。

 

しかし、日々の食事の内容や身体に摂り入れる栄養素をしっかり選ぶことで、病気になる確率を下げられるとしたらなんとも嬉しいことではありませんか?

 

栄養素が、身体に影響を与える原理には、「エピジェネティクス」という学問が関係していると考えられます。

 

 

エピジェネティクスとは?

 

 

自分自身の身体の細胞が日頃から取り入れる栄養素を変化させることで、細胞のふるまいが変わります。

 

 

私はエピジェネティクスといって、細胞の周りの環境が変わることで、遺伝子の変化がなくてもその細胞の振る舞い(機能)が変わるという内容を研究していました。

 

私が行っていた研究は、ある骨の細胞を神経の細胞に変えるものでした。しかも、遺伝子の操作は行わずにです。

どのようにするかというと、骨の細胞を培養して、培養液(細胞を育てるための栄養素)を、神経の細胞を育てるための培養液に変えるだけです。

 

数日間で、細胞の形がみるみるうちに変化してきて、長細い楕円形をしていた骨の細胞が、どんどん先が鋭くなっていき、周囲の細胞とコミュニケーションを図るように突起を伸ばし、最後は神経のネットワークのように細胞突起が張り巡らされます。

 

要するに、この変化が起きたのは細胞が日頃摂取している栄養素を変えただけなのです。

 

栄養を変えるだけで、細胞がここまで大きな変化をとげるということを私は目の当たりにしてきたため、ヒトが普段摂取する栄養素をしっかりさせることで細胞をしなやかにしたり、炎症に対して強くしたり、状態を整えることは容易いことなのではないかと考えています。

 

だって、骨が神経に成り代わらせるほどの力が、栄養素にはあるのですから。

 

ちなみに、エピジェネティクスを詳しく説明すると、

 

エピジェネティクス(英語: epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である。 ただし、歴史的な用法や研究者による定義の違いもあり、その内容は必ずしも一致したものではない。

とあります。

 

 

栄養学の領域も、まさにヒトの細胞のエピジェネティックな変化を狙ったものとも考えることができるかと思います。

 

まだお話したいところですが、今回はここまでにさせて頂きます。

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com