腸内環境が体の健康を左右している話:現代人の腸内環境が健康に与える重大な影響とその対策について

はじめに

どうも、歯科医師、口腔内科学博士の手塚充樹です。東京都港区新橋でヘルシーライフデンタルクリニックという歯科医院の開設管理者兼院長をしています。

大学院時代に口腔外科・口腔内科の臨床をしながら、分子細胞生物学を応用した再生医療の研究や、閉経後骨粗しょう症のメカニズムの研究をしていました。そのため、少しその方面には詳しいです。

最近では栄養分子や体内の常在菌と体内環境の関係を探求しています。

今回のブログでは腸内環境についてをトピックとしてあげたいと思います。

 

文章を読むのが苦手な方はまずこちらのラジオをお聴きいただいてもいいですよ♪

※AIが呼んでいる私のフルネームの発音に間違いがありますがご了承ください。

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現代人の腸内環境の現状

今、現代人の腸内環境が乱れていることが大きな健康トピックになっています。

残念ながら日本においては、腸内環境と病気の関係について深い知識を持つ方は少ないと感じていますが、海外の先進国においては当たり前のように自分自身の食生活を気を付けていく習慣があります。

 

腸内環境の重要な要素

腸内環境の重要な要素とは?

腸内環境について語られるときは、主に「腸内細菌叢」と「腸管粘膜の性状」について語られることが多いです。

腸内細菌叢が乱れている状態が様々な病気と関連していることが、昨今の研究にて明白になっています。理由の一つに、腸内細菌叢が乱れている状態(ディスバイオーシス)になっているとありとあらゆる病原体が腸内に生息しやすくなることが知られています。

その一方で、腸内細菌叢が整っている状態(シンバイオーシス)の場合には、病原体が住みつきづらい環境を構築することで体を守ってくれていることが知られています。これは腸内環境が元気な方が病気になりづらいことを説明する重要な事実です。

 

腸内細菌叢は何をしてくれている?

悪い細菌ばかり?いい細菌もいる?

「細菌 さいきん」とかばい菌とか聞くと、アンパンマンに出てくるバイキンマンみたいに悪者ってイメージをしませんか?

実は最近は悪玉菌だらけではなく、細菌叢の中には、善玉菌という正義の味方もいて、一般大衆である日和見菌というのもいます。

腸内細菌は実に、約100兆個の菌数が存在してるといわれています。

 

ダイバーシティーの重要性

ダイバーシティー(多様性)が腸内の健康と関与

腸内細菌叢については、最近の世の中の風潮みたいに、ダイバーシティー(多様性)があることが重要だといわれています。様々な菌が存在していて数も豊富というのがいいといわれていて、それぞれの細菌が実にいろいろな協調や相互作用をしながら体の健康と均衡を保っています。

このダイバーシティーが失われて悪玉優位になったときに体の様々な病気を発症しやすくなるといわれています。

 

口の中の菌との関係は?

口腔は全身につながる入口

口の中にも約300〜700種類、数千億個の菌数が存在しているといわれています。口腔内の細菌も全身の病気を引き起こすことがわかってきました。

 

問題となる口腔細菌

線毛という手足のようなものを毒素を持つ細菌も

例えば、**P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス:Porphyromonas gingivalis)**は、人間の体のバリアを壊して内部に侵入できる特性と毒素を持つことから、アルツハイマー認知症との関連が明らかになり一時期かなり話題になりました。

または、**F.n菌(フソバクテリウム・ヌクレアータム:Fusobacterium nucleatum、フソバクテリウム・ヌクレアータム)**については、硫化水素という毒素が人体に影響して大腸がんの発症に関与していることがわかっています。

 

関連する疾患

腸の病気は現代病として重要課題

このほかにも、これらの悪玉菌に加えて様々な菌が、腸の病気である:

  • 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD
  • 過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS
  • 大腸がん(Colorectal Cancer: CRC

を引き起こす原因の一つとなっていることが明らかになっています。

このほかにも、腸管内のバリアを破壊したり毒素を出す作用が他の疾患への関与をしていることも示唆されています。有名な病気でいうと**非アルコール性脂肪肝(Non-Alcoholic Fatty Liver Disease: NAFLD)**などがこれにあたります。

 

生活習慣病との関連

現代の死因のほとんどは生活習慣によるもの

私たちの体は、生活習慣病別名NCDsといわれる病気にかかることがほとんどで、現在全世界の死因の70%以上がこれによるものだとする統計データも存在します。

腸内環境の悪化が引き起こす疾患はこのほかにも、ぜんそくや花粉症、骨粗しょう症甲状腺疾患などなど数知れぬ疾患と関わっています。

 

腸内細菌叢を調べる検査にはどのようなものがある?

便を調べると様々な証拠が出てくる

腸内細菌叢は便検査を用いて調べることができます。主に私が確認できているだけで4種類以上の腸内細菌叢の検査が存在しますが、それぞれに結果の詳細さや介入の方法の提示などの差があります。価格帯にも差があります。

 

検査の基本原理

 

便中の細菌のDNAを測定して定量

腸内細菌叢の検査は、便サンプル中の細菌DNAを抽出し、次世代シークエンシング技術(NGS)により16S rRNA遺伝子の配列を解析することで、腸内に存在する細菌の種類と割合を特定する仕組みです。各細菌種に特有のDNA配列パターンをデータベースと照合することで、腸内細菌叢の構成比率や多様性を詳細に把握することが可能になります。

 

当院で扱っている検査

私がヘルシーライフデンタルクリニックで過去から扱っている、とある会社の検査がありますが、そちらについては割と簡易版という感じでした。結果を見て、介入をどうするべきか悩ましいこともあり検査を活かしきれずにいました。そこで新たに腸内細菌叢の検査を見つけました。

シングラムという腸内細菌叢の検査について

 

今回、シンバイオシスソリューションズという会社のシングラムという腸内細菌叢の検査を取り入れることを決定しました。

こちらについてはわかりやすくいうとプロ仕様で、介入方法についても具体的に食べるべき食材を提示してくれます。食材については、シンバイオシスソリューションズにて介入研究を行って結果が出たもののみを提示しているとのことで、実際に根気よく摂取をすればしっかり結果が出るそうです。

 

具体的な介入方法

腸内細菌叢検査シングラムの流れについて

食材の内容は、トマトとか、シナモンとかオリゴ糖とか、チョイ足しでいいようなものが多い印象です。

食生活に少し足せばいいとなると気楽ですよね。

また、当院は歯科医院なのでこれだけではなく、口腔細菌が腸内に定着しないように、お口の中の環境や機能を整えて、悪い細菌の数を減らし、悪い細菌が住み着きづらいお口にすることができます。

また、プロバイオティクスやプレバイオティクスやバイオジェニックスといった、口腔腸内環境を改善していくためのアプローチを持ち合わせているのが強みです。

具体的には、精密な歯科診療(根管治療、歯周病治療、むし歯の治療、矯正治療・インプラント・義歯・ブリッジなどを併用したかみ合わせと機能を整える治療)がこれにあたります。私たち歯科医師の本業が、より多くの方の全身の健康に寄与することを願ってヘルシーライフデンタルクリニックを開設しましたので、全力で診療にあたっています。

 

まとめ:予防医療への取り組み

今後はヘルシーライフデンタルクリニックにて腸内細菌叢の検査をして口腔と胃腸までの健康を維持して将来の未病の発症を防げるようにしていく方針です。

当院で行っている血液検査による栄養解析や唾液検査などを取り入れればより詳細に健康状態の把握が可能になります。

今後も探求を続けていきますので引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


ヘルシーライフデンタルクリニック
院長 手塚充樹
東京都港区新橋

 
 
 
 

 

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著者 


手塚 充樹(てづか みつき)のプロフィール

趣味と人柄

趣味は運動と音楽です。
かつてはバスケットボールに熱中し、小学校から大学、そして社会人に至るまで、監督やプレイヤーとして活動していました。出身大学ではバスケットボール部の監督も務めていましたが、現在はボクシングを趣味として3年間ほど取り組んでいます。
また、音楽にも造詣が深く、歌やギターなどを趣味として楽しんでいます。

皆さまの歯科診療に携わることを楽しみにしておりますので、お口と体の健康について何かあればお気軽にご相談ください。患者さまに寄り添う姿勢を意識しております。


学歴・経歴

学歴

経歴

  • 2009年鶴見大学歯学部口腔内科学(口腔外科学第2講座)講座入局
  • 2014年:新橋テヅカ歯科クリニック 副院長
  • 2014年:川崎ジンデンタルクリニック 院長
  • 2017年:鴨宮青山デンタルクリニック 非常勤
  • 2019年3月健康寿命延伸研究会 主催
  • 2019年9月:新橋ヘルシーライフデンタルクリニック 開設
  • 2023年4月:学校法人 大原学園 東京立川歯科衛生学院専門学校 兼任教員

現職

  • 新橋ヘルシーライフデンタルクリニック 院長
  • 健康寿命延伸研究会 主催
  • 学校法人 大原学園 東京立川歯科衛生学院専門学校 兼任教員

 

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