HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

薬剤の多剤併用について ~健康寿命延伸型歯科医院、予防医学、栄養医学の観点から~

薬剤の多剤併用による副作用について

認知症、体のふるえ、歩行困難など多剤併用が原因であることも

今回のHLDC院長手塚充樹のブログは、薬剤の多剤併用によるリスクについて私見を交えて綴りたいと思います。

 

当院では、歯周治療や審美歯科、むし歯の治療・予防、健康寿命延伸に働きかける保健指導(日々の食材選びなど)、健康維持に働きかける内容として医療機関向けサプリメント・点滴療法などをご提供しております。

 

お薬を飲んでいることを主治医の先生へ伝えていますか

みなさまは普段、生活習慣病やその他のご病気や痛みへ対応のためにお薬を飲んでいらっしゃいますか。

 

薬剤には目的の効果があります。

ほとんどの薬が、服用すると確かに作用して目的の効果を発揮します。

 

しかしながら、薬剤の作用は一つだけではありません。「副作用」というものをご存知かと思います。

 

「主作用」と「副作用」すべて合わせてその薬の「作用」です。

 

私は、薬の作用は強く出る作用を「主作用」として扱っているだけで、「副作用」もその薬のれっきとした作用だと考えています。

 

みなさまは主治医の診察の結果、必要と考えられるお薬を服用されていることと思いますが、

 

歯科医院においては、来院される方のお薬の種類が5種類を超えて多い場合は、主治医が違う科に複数おられて、各先生からお薬が複数処方されて、その結果多剤併用状態になっておられる方が多いです。

 

栄養素の代謝を下げてしまうお薬もある

コレステロールを下げるお薬

コレステロール値が高くなる疾患である脂質異常症高脂血症)のお薬の中には、脂質の代謝を下げるお薬もあります。

 

血液検査の上では、目的のコレステロールの値が下がるので、治療がうまくいっているように

脂質代謝が下がると、エネルギー代謝に影響がでたり、傷の治りが悪くなったり疲れやすくなる可能性もあります。

 

本来は、脂質代謝そのものを改善させて悪玉コレステロールと呼ばれる本来は脂質代謝の1役を担っているコレステロールにも働いてもらう体にする方が望ましいのですが、お薬を服用せざるを得ない場合はそのような副作用が起こることもあります。

 

胃酸の分泌を抑えるお薬

胃酸の分泌を抑えるお薬(プロトンポンプ阻害薬PPI)については、逆流性食道炎や胃のむかつきなどに対してよく処方されることがあるかと思います。

 

胃酸の分泌が抑えられることで胃のむかつきなどの症状が抑えられるため安心はしますよね。

 

しかしながら、胃酸の働きの中には消化吸収という非常に大事な要素があります。

 

タンパク質代謝ビタミンB12の吸収など、胃酸がないとうまく働かない機構もあります。

 

以上のように単剤でも複数の作用がでることがあります。

 

 

多剤併用により、肝臓の代謝能力を超えてしまう

薬剤が5~7種類以上などの多さになってくると、肝臓や腎臓での代謝能力を超えて、副作用が強く出すぎてしまうことがあります。

 

薬剤の多剤併用が原因で寝たきりや認知症になってしまうことも

不眠症のお薬や、体の震えを抑えるお薬など副作用が出やすい薬の場合は、薬の副作用が強くですぎてしまったことが影響して寝たきりを余儀なくされてしまう例すら報告があります。

 

少数派ではありますが、薬害研究をやられている医師の方もいらっしゃるほどに薬の使い方には注意を払う必要があります。

 

 

健康寿命と薬とのお付き合いには深い関わりがある

みなさんは「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか。

「平均寿命」とは意味が異なります。

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健康寿命と平均寿命の差。約10年のギャップがある。

 

健康寿命」とは、人が寝たきりになる前の自立できている期間のことをさします。

 

そのため、お薬の多剤併用によって寝たきりになってしまった方は、健康寿命が終わってしまった状態とも言えます。

 

ご家族の介助が必要になってしまうため、ご家族の気分が暗くなってしまったり、いろいろと試練に悩まれることもあるかと思います。

 

 

健康寿命が一旦終わってしまったとしても、お薬の見直しによって引き戻せることもある

実例として複数の例を私だけでも見たことがあります。

脳や体へ与える悪影響や分子を排除し、脳や体がほしがっている分子を供給してあげることで劇的な回復を遂げた例もあります。

 

健康寿命延伸のためには、「西洋医学」だ「東洋医学」だ「統合医療」だと分類したり、ある医療のやり方を否定したり、派閥を作っている場合ではなく、複合的にその方の代謝状態などに気を配りながら改善の方向へ向かっていくようにする視点が大事だと考えます。

 

薬に限らず、食べ物でも代謝を阻害していて症状が出ていることもある

そもそも論ですが、なぜ薬を服用しなければならなくなったのでしょうか。

 

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ドミノ倒しのように体が悪くならないように原因を探るべき

 

サプリメントの中には、服用している薬剤の作用を強めてしまったり減弱してしまったりすることがあります。

 

ある例では、高血圧症の患者さんが良かれと思って血圧を下げる薬とサプリメントを併用したところ、血圧が下がりすぎてしまったことがあったそうです。

 

私見ですが、確かに、サプリメントを服用する際にも作用については気を配る必要があります。

 

しかしながら、マグネシウムなどのサプリメントの摂取によって血圧がそんなに下がるのであれば、薬と相性の悪いサプリメントを止めるのではなく、薬を止める手も一つの選択肢かなとは思います。

 

栄養素などの分子で体調が整うと副次的に他の部分にも改善がみられることがありますので、よりプラス思考になれたりもっと健康になりたいといういい欲がでてくることもあります。

 

その結果、他の疾患を防げたり、服用する薬を減らせたら良いですよね。

 

薬剤ではないが、慢性炎症も敵。

歯科疾患からも菌血症などを伝って慢性炎症が肝臓や血管へ負担をかけることもある

 

代謝を正常にするにあたって炎症のコントロールは第一に大切であると考えられています。

 

以上、長文をお読みいただき誠にありがとうございます。

 

全身への慢性炎症にも気を配りながら、薬の量を最適化し、長い健康寿命を獲得するための情報となっていただけたら幸いです。

 

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歯科医師 博士(歯学)

手塚 充樹 Mitsuki Tezuka

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com