HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

家庭内でお口をキレイにするPOICウォーターとは

歯科医師の手塚充樹です。

 

今回は、ポイックウォーターのご紹介。

 

自分も自宅で、歯磨きのときに使っています。

 

 

POICとは、専門的口腔感染制御(Professional Oral Infection Control)の略です。

 

純水と塩を混ぜ、電気分解させることで次亜塩素酸イオンを生じさせた、いわゆる『機能水』です。

 

人間の健康を維持したり、お口の中に生じる問題を解決するために、このお水の効果に注目しています。

 

今回はその可能性や効果についてお話したいと思います。

 

 

【お口の中の病気は感染症(?)】

 

ヒトと一緒に共存している細菌数は約40兆個とも言われており、主に消化管(口、食道、胃、腸など)に生息しているとされています。

 

お口の中に起こる病気の2大疾患といわれているのが、「虫歯」と「歯周病」です。

 

その2つとも、厳密に言うと細菌だけが原因ではなく、身体の細胞環境や食事・栄養、種々のストレスによる影響も受けていることもありますが、菌の影響は大きく、菌の数や質のコントロールによって病態が改善することが少なくありません。 

 

今回のお話は主に菌に対して向けた内容が主体となります。

 

 

効果その1

タンパクを分解(バイオフィルムを壊す)

 

POICウォーターは、タンパク分解型の電解水と言われており、『タンパク分解』ができるということがお口の中の健康を守るために大きな効果をもたらしてくれる可能性があります。

 

それには、お口の中に住む細菌が形成する『バイオフィルム』といういわゆる細菌が自分の身を守るために作った『バリアー』や『家』が関与しています。

 

 

 

 

歯の表面の磨き残しを、約16時間ほど放置するとバイオフィルムが形成されるとされており、ネバネバしたバリアーは、抗菌薬の浸透すら防ぐとも言われています。

 

現在は、バイオフィルムを除去するためにはPMTCといって、歯を直接研磨する方法や、超音波ブラシを使用して歯を磨くなど、機械的除去といわれる方法がメインで考えれらています。

 

私達歯科医師が、患者さんの虫歯や歯周病発症を防ぐためにいろいろと考えなきゃいけないことがこのバイオフィルムのことです。

 

ネチョネチョと歯にバイ菌がこびりついているにもかかわらずそれを放置していれば、虫歯病原菌が砂糖を摂取したのちに産生する「酸」によって歯は溶け、虫歯になる可能性が高まります。

 

家庭でのケアや、歯科医院の中でのケアにより、とにかくこのバイオフィルムを作らないように、歯を磨いたり、歯科医院に通ったりしていく必要があります。

 

ライオン社が出品している歯磨剤にも、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)といってバイオフィルムを溶解する物質が含まれています。

 

いままで、私はその理由から、患者さんにはライオン社の歯磨剤を勧めていました。

 

しかし、バイオフィルムの溶解、および殺菌をPOICウォーターがやってくれるため、自分は自宅ではPOICウォーターのブクブクうがいと歯ブラシを合わせた形で歯磨きをしています。

 

このポイックウォーターを使うと、歯を治療しなければならなくなった歯の本数を減らすことができたという統計データもあります。

 

 

 

 

もしかしたら、「歯医者は歯を削りたがっている」とか、「歯医者は何か治療をやりたがっている」とか考えていらっしゃる方もおられるかもしれません。

 

決してそんなことはないのです。私は、患者さんの心境としては、歯科医師に歯を削られたり(場合によっては歯を抜かれたり)されることで、一種の喪失感や悲しい気持ちを味わうこともあるのではないかと考えています。

 

歯科医院として、悲しい気持ちや不安な気持ちや疑いの気持ちをもって受診されるよりも、楽しみな気持ちやプラスな気持ちを持って受診して頂いたほうが圧倒的に気持ちが良いです。

 

患者さんの体調や心持ちやご気分などは歯科医院の担当医やスタッフにも確実に伝わります。例えば、最初受診されたときの挨拶のとき「おはようございます」と言ったその瞬間や歩き方、表情や仕草などいろんなところから心身の健康状態が私達に伝わります。

 

まず、当然ですがプラスの気持ちを持って受診された方は、圧倒的に笑顔であることが多いです。

 

「Happy People Live Longer」というくらいですから、当然、怯えた気持ちやショックの気持ちを生み出す歯科医院よりも、笑顔や楽しい気持ちを生み出せる歯科医院を作っていきたいと考えています。

 

 

効果その2

殺菌力

 

POICウォーターは、歯科医院での専門的なクリーニングのような効果を、ある程度家庭内でも実現することが期待できます。

 

お口の中には、常在微生物叢といって、約500~700種類もの細菌がいると考えられています。

 

その中でも、いわゆる「悪玉菌」「善玉菌」「日和見菌」などがいると考えます。要するに、人間に対して悪いことをしたり、善いことをしたり、普段は特に何もしなかったりといった役割です。

 

しかし、現在の歯科医科学(2017年現在)では、いわゆる悪玉菌と捉えられるような、「虫歯の病原菌」や「歯周病の病原菌」はわかっていますが、その他の菌の役割については一部の科学者が解明を進めている段階です。

 

菌の役割については、これから解明が進んでくれば、新たな予防のアプローチが生まれる可能性もあります。

 

現段階では、定期的に、「口腔内の微生物叢のリセット」を行うことが病気の予防に効果的であると考えられています。

 

重度な歯周病に罹患している方や、多数歯にわたって虫歯がある方などに限って言えば、いわゆる口腔内の「悪玉菌」がいなくなり、菌数が減れば状況が良くなり、病気の進行を止めたり、遅らせることができます。

 

そのお口の中の菌数を減らしたりしていく行為には、通常は歯科医院への通院が必要となることや、保険診療の決まりや予約時間枠の長さの問題などで、何回かに分けてお口の中のお掃除を繰り返さなければならないことも少なくありません。

 

しかし、実は、何回かに分けてお口の中のクリーニングをしても、歯石は除去できるかもしれませんが、残念ながら口腔内の微生物叢までリセットすることは難しいと考えます。

 

なぜなら、下の前歯だけをキレイにしたとしても、他の歯や舌に付着している菌が唾液に乗っかって浮遊し、また下の前歯の方にも流れてきて定着する可能性がたかいからです。

 

読者の方の中にも、歯科医院に何回も通って歯のお掃除をしたっていう経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

お口の中のお掃除は一気に全体をキレイにしてあげた方が効果が高いです。

 

以上、簡単ですが今回はPOICウォーターのご紹介でした。

 

歯ぐきが出血した場合に起こる、お口の中の菌が全身をめぐる「菌血症」や、お口の中の菌が肺に入って引き起こされることもある「誤嚥性肺炎」など、お口の中の菌が引き起こす全身の病気は見逃せないものです。

 

日頃からお口の中の菌のコントロールをすることや、全身の細胞環境を整えるために、栄養素をしっかり選ぶことなどが、年月をかけて全身の健康に大きな影響を及ぼします。

 

「ヒトは口から老いる」という言葉が私は気に入っていますが、本当にそのことを証明する事象はどんどんデータとして蓄積されています。

 

お口の中の健康と全身の健康を皆さんに獲得して頂いて、健康にイキイキと生きれる年数が増えたらとてもうれしいです。

 

 

 

上の図はメタボリックドミノといって、運動不足、栄養不足や歯の健康の破綻が、そのうち下流の方の全身の健康の破綻に繋がるという考えです。

 

こんなイメージでお口の中の健康を捉えていただけるとわかりやすいかもしれません。

 

一緒に心身ともに健康な身体を作っていきたいですね。

 

ちなみに、このPOICウォーターは、導入している歯科医院であれば利用することが可能です。

 

私は、虫歯を削ったあとの歯の消毒など、患者さんの治療の様々な場面で使用しています。

 

お口の中で飛散しても飲んでも大丈夫なのに、きれいにできるので非常に重宝しています。

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

 

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com