HLDC院長手塚充樹のブログ

健康寿命延伸型歯科医院実現へ向けて

薬剤の多剤併用について ~健康寿命延伸型歯科医院、予防医学、栄養医学の観点から~

薬剤の多剤併用による副作用について

認知症、体のふるえ、歩行困難など多剤併用が原因であることも

今回のHLDC院長手塚充樹のブログは、薬剤の多剤併用によるリスクについて私見を交えて綴りたいと思います。

 

当院では、歯周治療や審美歯科、むし歯の治療・予防、健康寿命延伸に働きかける保健指導(日々の食材選びなど)、健康維持に働きかける内容として医療機関向けサプリメント・点滴療法などをご提供しております。

 

お薬を飲んでいることを主治医の先生へ伝えていますか

みなさまは普段、生活習慣病やその他のご病気や痛みへ対応のためにお薬を飲んでいらっしゃいますか。

 

薬剤には目的の効果があります。

ほとんどの薬が、服用すると確かに作用して目的の効果を発揮します。

 

しかしながら、薬剤の作用は一つだけではありません。「副作用」というものをご存知かと思います。

 

「主作用」と「副作用」すべて合わせてその薬の「作用」です。

 

私は、薬の作用は強く出る作用を「主作用」として扱っているだけで、「副作用」もその薬のれっきとした作用だと考えています。

 

みなさまは主治医の診察の結果、必要と考えられるお薬を服用されていることと思いますが、

 

歯科医院においては、来院される方のお薬の種類が5種類を超えて多い場合は、主治医が違う科に複数おられて、各先生からお薬が複数処方されて、その結果多剤併用状態になっておられる方が多いです。

 

栄養素の代謝を下げてしまうお薬もある

コレステロールを下げるお薬

コレステロール値が高くなる疾患である脂質異常症高脂血症)のお薬の中には、脂質の代謝を下げるお薬もあります。

 

血液検査の上では、目的のコレステロールの値が下がるので、治療がうまくいっているように

脂質代謝が下がると、エネルギー代謝に影響がでたり、傷の治りが悪くなったり疲れやすくなる可能性もあります。

 

本来は、脂質代謝そのものを改善させて悪玉コレステロールと呼ばれる本来は脂質代謝の1役を担っているコレステロールにも働いてもらう体にする方が望ましいのですが、お薬を服用せざるを得ない場合はそのような副作用が起こることもあります。

 

胃酸の分泌を抑えるお薬

胃酸の分泌を抑えるお薬(プロトンポンプ阻害薬PPI)については、逆流性食道炎や胃のむかつきなどに対してよく処方されることがあるかと思います。

 

胃酸の分泌が抑えられることで胃のむかつきなどの症状が抑えられるため安心はしますよね。

 

しかしながら、胃酸の働きの中には消化吸収という非常に大事な要素があります。

 

タンパク質代謝ビタミンB12の吸収など、胃酸がないとうまく働かない機構もあります。

 

以上のように単剤でも複数の作用がでることがあります。

 

 

多剤併用により、肝臓の代謝能力を超えてしまう

薬剤が5~7種類以上などの多さになってくると、肝臓や腎臓での代謝能力を超えて、副作用が強く出すぎてしまうことがあります。

 

薬剤の多剤併用が原因で寝たきりや認知症になってしまうことも

不眠症のお薬や、体の震えを抑えるお薬など副作用が出やすい薬の場合は、薬の副作用が強くですぎてしまったことが影響して寝たきりを余儀なくされてしまう例すら報告があります。

 

少数派ではありますが、薬害研究をやられている医師の方もいらっしゃるほどに薬の使い方には注意を払う必要があります。

 

 

健康寿命と薬とのお付き合いには深い関わりがある

みなさんは「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか。

「平均寿命」とは意味が異なります。

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健康寿命と平均寿命の差。約10年のギャップがある。

 

健康寿命」とは、人が寝たきりになる前の自立できている期間のことをさします。

 

そのため、お薬の多剤併用によって寝たきりになってしまった方は、健康寿命が終わってしまった状態とも言えます。

 

ご家族の介助が必要になってしまうため、ご家族の気分が暗くなってしまったり、いろいろと試練に悩まれることもあるかと思います。

 

 

健康寿命が一旦終わってしまったとしても、お薬の見直しによって引き戻せることもある

実例として複数の例を私だけでも見たことがあります。

脳や体へ与える悪影響や分子を排除し、脳や体がほしがっている分子を供給してあげることで劇的な回復を遂げた例もあります。

 

健康寿命延伸のためには、「西洋医学」だ「東洋医学」だ「統合医療」だと分類したり、ある医療のやり方を否定したり、派閥を作っている場合ではなく、複合的にその方の代謝状態などに気を配りながら改善の方向へ向かっていくようにする視点が大事だと考えます。

 

薬に限らず、食べ物でも代謝を阻害していて症状が出ていることもある

そもそも論ですが、なぜ薬を服用しなければならなくなったのでしょうか。

 

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ドミノ倒しのように体が悪くならないように原因を探るべき

 

サプリメントの中には、服用している薬剤の作用を強めてしまったり減弱してしまったりすることがあります。

 

ある例では、高血圧症の患者さんが良かれと思って血圧を下げる薬とサプリメントを併用したところ、血圧が下がりすぎてしまったことがあったそうです。

 

私見ですが、確かに、サプリメントを服用する際にも作用については気を配る必要があります。

 

しかしながら、マグネシウムなどのサプリメントの摂取によって血圧がそんなに下がるのであれば、薬と相性の悪いサプリメントを止めるのではなく、薬を止める手も一つの選択肢かなとは思います。

 

栄養素などの分子で体調が整うと副次的に他の部分にも改善がみられることがありますので、よりプラス思考になれたりもっと健康になりたいといういい欲がでてくることもあります。

 

その結果、他の疾患を防げたり、服用する薬を減らせたら良いですよね。

 

薬剤ではないが、慢性炎症も敵。

歯科疾患からも菌血症などを伝って慢性炎症が肝臓や血管へ負担をかけることもある

 

代謝を正常にするにあたって炎症のコントロールは第一に大切であると考えられています。

 

以上、長文をお読みいただき誠にありがとうございます。

 

全身への慢性炎症にも気を配りながら、薬の量を最適化し、長い健康寿命を獲得するための情報となっていただけたら幸いです。

 

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歯科医師 博士(歯学)

手塚 充樹 Mitsuki Tezuka

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

睡眠を妨げる睡眠時無呼吸症候群 閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)とは


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普段よく眠れていますか?

今回は、睡眠や睡眠時無呼吸症候群についてのお話です。

 

歯科でも睡眠時無呼吸症候群についてはご相談を受けることがあります。

 

日中に眠くなったりしませんか?

いびきや、夜間の頻尿、日中に強烈な眠気に襲われたりすることが知られています。

 

日中にふとした瞬間寝落ちするようなことが多い方はこちらの疾患も疑った方がよいかもしれません。

 

閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)を調べる方法

当院からは、専門の医療機関へご紹介が可能です。

簡易検査・住宅睡眠検査(HST)や終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG)といった検査があります。

 

それらの検査を行い、無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index, AHI)といった指数を用いて閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の重症度を診断します。

 

睡眠時無呼吸症の合併症

この病気と一緒に合併していることが多い病気も報告があるようです。

薬剤耐性高血圧症、心不全、心房細動、冠動脈疾患、急性冠症候群、大動脈解離など循環器疾患が合併症として知られています。

その他、糖尿病や認知症との関連も報告されています。

 

それらの合併症と歯周炎やむし歯の関わり

歯は関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこの合併症の中にきっと歯周炎や齲蝕(むし歯)もあることが多いであろうことは容易に想像がつきます。

また、むし歯ができやすい➔砂糖を含む食べ物飲み物の常飲、糖質偏重食の背景➔血糖調節の不調➔糖尿病➔歯周炎➔糖尿病増悪➔歯周炎増悪➔歯を抜くことになる➔噛めなくなる➔うどんやおかゆなど糖質偏重食じゃないと噛めなくなってしまう➔糖尿病の合併症として失明や下肢切断など健康寿命を失うような疾患へ発展してしまう。

 

など、身体の状態が悪くなってしまうサイクルの中に歯科疾患も並んで起こっていることがあります。

 

歯周病やむし歯と糖尿病の関わり

糖尿病と歯周炎はお互いに悪くし合う関係にあります。

 

また、齲蝕や歯周炎による歯の喪失によって咬合機能が落ちると、どうしてもおかゆやうどんなどの柔らかい糖質を摂取してしまう機会が増えます。

 

睡眠時無呼吸症の方には、歯科受診や保健指導(栄養指導)もとても有意義ですね。

 

 

歯周病と心臓の病気のつながり

歯周病になっていると、歯周ポケットといって、歯と歯茎の間の溝の部分が深くなります。この歯周ポケットは医学的には潰瘍と同じ状態であると考えられています。

 

潰瘍とは、身体の皮膚や上皮が剥がれ落ち、バリアが破綻してしまっている状態です。

 

胃潰瘍など有名な病気がありますよね。

 

お口の中に潰瘍ができていたり出血を頻繁に繰り返していると、菌血症(体の血管の中に菌が回る状態)が起こります。

 

歯ぐきから出血してから約70秒間で上腕の静脈まで口腔内細菌が来ていることが調べられた研究もあります。

 

歯周病の治療をすることで心臓の病気のリスクを下げる可能性が高いことも示されています。

 

アルツハイマー認知症歯周病と睡眠不足

アルツハイマー認知症に深くかかわるとされているアミロイドβという物質ですが、アミロイドβが一度できてしまった後にそれを分解する薬剤で何とかしようとしてもなかなか改善に向かえないことが知られています。

脳にアミロイドβが蓄積しないような生活が推奨されており、近年ではリコード法というアプローチが脚光を浴びています。

体の慢性炎症を除去したり、体の有害な重金属を排除したり、脳への栄養素の供給を行ったり、生活習慣を見直したりといったことを総合的に行う方法です。

 

歯周病も慢性炎症

慢性炎症と書きましたが、お口の中の歯周炎や神経を取った歯(失活歯)の周りに起きる炎症はまさに慢性炎症です。「塵も積もれば山となる」とは言いますが、10~20年単位で慢性炎症が起きていると重大な病気にもつながりますので注意が必要ですね。

 

睡眠がアミロイドβの蓄積を解消する

睡眠の質も大変重要であるといわれており、やはり脳が休まる時間がないとストレスがかかり認知症の発症リスクにも影響します。

 

 

 

睡眠時無呼吸症が引き起こしている社会問題

日中に強烈な眠気に襲われるため、居眠り運転による大事故が有名です。

特に、バスの運転手の方が睡眠時無呼吸症であった場合には、多くの乗客を犠牲にしてしまうことがあるためより注意が必要です。

 

睡眠時無呼吸症候群を改善する方法

持続的気道陽圧法(CPAP

気管の中を陽圧に保ち、肺まで空気が行き渡るように呼吸を補助するマスクのような器具です。

こちらを装着した状態で睡眠します。

 

口腔内装置(OA)

寝た状態で、下顎を前に出すと、舌根の沈下を防ぐことができるため、気道が生まれ呼吸ができるようになるという原理を利用しています。

上下を固定したマウスピースを作ることが一般的です。

しかしながら、上下を固定したマウスピースだと、顎が全く動かせなかったり、窮屈感がひどかったり装着感があまりよくないため使用が難しい患者さんもいらっしゃいます。

 

海外発祥のもので装着感に優れた装置もあります。

こちらの装置は、寝ている最中に開口することや飲水することも可能です。

 

マウスピースの内面は2層構造になっており、内側は柔らかく、外側は汚れや傷に強い素材で作られています。

 

口を閉じる時には、きちっと下顎は前方に誘導されるように作られているため、ストレスを軽減した状態で睡眠につくことができます。

 

睡眠時無呼吸症候群のマウスピースを作ってみたけど自分には合わない」と感じていらっしゃる方には朗報ですね。

 

外科手術

診断結果によっては外科手術が用いられることもあります。

 

 

睡眠の質改善や炎症除去、かみ合わせの改善など総合的に

よく眠れなければ元気に生活することも難しいですよね。

これを読んでいただいたあなたは、弱い炎症も体の重大な病気へつながることがあることは理解していただけたかと思います。

 

何か気になることがあればお気軽にご相談ください。

 

 

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手塚 充樹

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

 

ヘルシーライフデンタルクリニックがオープン

丁寧な診療と予防医療のクリニックオープン

開院後初のブログです

 

昨年のシリコンバレー式ダイエットの記述から、アップしていなかったブログですが、久しぶりに投稿します。

 

令和元年9月2日に、新橋駅・内幸町駅から徒歩3分の位置に、ヘルシーライフデンタルクリニックがオープン

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ダイワロイネットホテル新橋地下1階の医療フロア

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待合受付スペース


ダイワロイネットホテル新橋という建物の地下1階に、整形外科・皮膚科、内科・神経内科の医療施設も併設されている医療フロアになっています。

 

こちらの医院をオープンするまでに、色んなアイディアを練ったり、テクニックを身につけたり、知識を蓄積していったりと数年間に渡り頭と体を使いました。

 

医院の理念やコンセプト

 

医院の理念を考えるにあたっても、私が勤務医および雇われ院長時代に持っていたUSPである

 

「ヒトは口から老いる、歯科から健康寿命を延伸する」

 

という言葉。

 

意味合いを少し変え、ヘルシーライフデンタルクリニックでは

 

「ヒトは口から美しくなる、長く幸福な人生を支援する」

 

という言葉に変えています。

 

老いる→美しくなる

 

と変えたことについては、理由は2つあります。

1つは、「老いる」という人に起こって欲しくないことをあげることによる警告のイメージから、「美しくなる」という人がなりたい状態に変えることでプラスのイメージを持って通院していただきたいという意図があります。

 

2つ目は、老いるという言葉に比較して、美しくなるという単語に複数の意味があるからです。美しい=美容や整形などのイメージを持たれるかもしれませんが、美しいという言葉には、「立派な、見事な」という意味や、「色や形や音などが調和が取れている」という意味もあります。

 

まさに、歯科治療において、歯周病を治療して体に対して悪影響が出ない状態を作ったり、歯科矯正によって顎の骨格や歯列のアンバランスを整えて調和を得たり、歯肉と調和が取れたセラミックの被せ物を作ったり、保健指導によって血糖値のコントロールなどの体の機能を整えたり、「体との調和」を歯科から整えるということも目的としています。

 

ちなみに「音が美しい」ということにおいて言えば、歯は構音機能といって、言葉を人から聞き取りやすい形に発音するためにも非常に重要であることから、口の機能が「美しくなる」ことでその人が発する声や言葉も「美しくなる」のです。

 

 

 

「長く幸福な人生を支援する」

 

以前に持っていた「歯科から健康寿命を延伸する」という言葉と似た意味合いがありますが、少し違います。

 

この部分については、慶應義塾大学の腎臓・内分泌・代謝内科教授の伊藤裕先生が提唱されている内容から影響を受けています。

 

歯科の立場から、伊藤裕先生が提唱されているメタボリックドミノや幸福寿命というお考えについて自分なりに解釈し、当院のコンセプトにも反映しています。

 

メタボリックドミノに寄り添った、幸福寿命を支える歯科医療という考え方

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メタボリックドミノと歯科の関わり

メタボリックドミノという、生活習慣から生活習慣病健康寿命を失ってしまう疾患へつながっているというモデルをご存知ですか。

そして、歯科医療という立場が、メタボリックドミノの上流から下流まで関わる機会の多いものだということはご存知ですか。

 

主に若い世代~中年までのメタボリックドミノ上流

当院では、お口の中に疾患ができたときに、「体の悲鳴」があがっているのではないかと考えます。

 

むし歯や歯肉炎や歯周炎が起こっている段階で、メタボリックドミノに当てはめて考察すると、何かしらの生活習慣が起因している可能性が大いにあります。

 

 食習慣やその他の生活習慣や、環境などの影響がお口の中に初発症状としてあらわれることは珍しくありません。

 

自己免疫疾患でも、お口の中に繰り返す口内炎が比較的最初にでる兆候として知られているものもあります。

 

むし歯や歯周病は多くの人に発症する疾患ではありますが、それらを防ごうと考えた際に、生活習慣と切り離して考えてもなかなかその場しのぎの診療に終始してしまいます。

 

すでに高血圧症や脂質異常症、糖尿病が発症しているメタボリックドミノ中流

メタボリックドミノの中流になると、お体のことはかかりつけの内科の先生などに診てもらいながら歯科医院を通院されている方や、血糖コントロールの不良や血圧の異常が起こっていても気づくタイミングがなく歯科医院を受診されている方もいらっしゃいます。

また、詳細については他の機会にでも書きたいのですが、いくつか挙げると以下のような関連もあります。

 

血糖コントロールと歯周炎の関係

 

砂糖の摂取量とむし歯の発症と血糖値スパイク

 

体の糖化現象と骨粗鬆症

 

歯周炎と認知症

 

高血圧症と栄養状態

 

冠動脈疾患と歯周炎

 

歯肉出血と菌血症

 

などなど、思いつくだけでも体とのつながりから明らかになってきている内容が多くあります。

 

それらの事実を、患者さんの記録やデータをもとにそれぞれに合ったお話をさせていただき、メタボリックドミノ中流においても、歯科から健康への働きかけを行っています。

 

いわゆる「健康寿命」を失うメタボリックドミノ下流

メタボリックドミノ下流では、失明や重度の認知症、下肢切断などの怖い文言が並びます。

 

寝たきりなどの状態になってしまうと、その方の健康寿命は終わりということになってしまいますが、実際に寿命はまだ続きます。

 

厚生労働省の調べによると、人が幸せを感じるときはどんなときかという問いに対して

 

1位 病気がないこと

2位 おいしく飲食ができること

 

だったそうです。

メタボリックドミノ下流においては、歯科は訪問診療や遠隔診療といった方法でお役に立つことができます。

 

実際に、患者さんのそばまで通い、おいしく飲食ができるように口腔内の環境を整えたり、寄り添っている歯科医師は、その方の幸福寿命を支えることに寄与できると考えています。

 

その方によっておいしい飲食の内容が違ってくるかとは思いますが、寝たきりやディスキネージア(体の震えが止まらない状態)においても、薬剤を使用しても劇的な改善にはつながらないケースがあります。

ボーンブロススープなどの体や脳への栄養が豊富な食材によって、薬を止めたりディスキネージアが止まり、座位がとれるようになったといった例も報告されています。

 

患者さんが寝ている状態では義歯を作ることは困難を極めますが、座位が取れれば、ある程度しっかりとした義歯を作成することだってできるでしょう。

 

そうなると、まさにその方の幸福寿命の獲得に一役買っているといえると思います。

 

訪問診療における現場でもメタボリックドミノを引き戻すような働きかけもできると考えています。

 

言葉を健康寿命➔幸福寿命に変えた理由

 

「患者さん主導」という言葉で説明ができそうです。「健康」という言葉の意味合いや捉え方が簡単ではない部分があり、こちらが健康に対して良かれと思ってアプローチしている内容も、ご本人の幸福につながっていなければ、医療行為の効果も小さくなります。

 

食習慣一つとっても、その方が今までに慣れ親しんで食べてきたものや嗜好品などは必ずあるものです。

 

それを食べないことが「健康」なのか、それを食べることが「幸福」なのか。

簡単ではない選択ではありますが、患者さん一人一人に「事実」を知っていただき、「選択」してもらい、患者さんそれぞれの幸福を感じていただけたら良いとは思います。

 

私の個人的な願いとしては、昨今の現代型栄養失調や、腸疾患(リーキーガット症候群、SIBO、潰瘍性大腸炎)、遅延型フードアレルギーなどの栄養素や分子が関わるような疾患があり、それらは決して薬剤のみで端的に解決できる問題ではないので、みなさん来院される方一人一人がご自身の「生活習慣」と「今の身体の状態」「検査データ」「事実」などと照らし合わせて向き合っていただけたら幸いです。

 

長文を読んでいただきありがとうございます。

 

 

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手塚 充樹 Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

 

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事


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どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

 

今回は、自分が栄養学に興味を本格的に持ち始めたきっかけとなった書籍の紹介です。

 

今や有名となった本ですが、あえて今紹介したいと思います。

 

患者さんに栄養カウンセリングを行う時も、おすすめの書籍の話をしますが、少し内容が専門的で一般の方には難しい内容もあるとのことから、今回はブログで少し噛み砕いてお話ができればと思いました。

 

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事を実践してパフォーマンス向上とダイエットに成功できる


 

   

 

この本の内容を実践してみてから、驚くべき身体の快調さの獲得とダイエットに成功しました。

 

しかも、リバウンドしません。リバウンドしたとしてもとっても緩やかで、また元に戻すことも比較的容易です。

 

昼ごはんの後や夕方にはダルーくなったりすることも滅多になくなり、花粉症や皮膚のかゆみなどの症状もなくなりました。

 

私の体質や味の好みには合っていたようです。

 

 

目次

 

1.バターコーヒー(完全無欠コーヒー)という代物

 

2.バターコーヒー(完全無欠コーヒー)の作り方

 

3.バターコーヒー以外の大事なこと

 

4.動物の身体もその動物が食べてきた食材 (飼料)によって作られている

 

5.睡眠の質を高める方法

 

6.糖質を摂取しても良い時間帯は夜がオススメ

 

7.糖質を全く摂らないダイエットではない

 

8.運動習慣は週に3回まで。20分程度のきつい運動でムキムキになれる。

 

9.ケトン体質には大量の野菜が必要

 

 

 

 

1.バターコーヒー(完全無欠コーヒー)という代物


今や、「バターコーヒー」というネーミングはテレビでも紹介されることが増えてきており、ファミリーマートでは、商品化されたりしていますね。

 

しかしながら、これだけのボリュームのある書籍の中はバターコーヒーの事ばかりが綴られているわけではありません。

 

バターコーヒーはパワードリンクだと思ってますし、私も今も週に何回かは朝食としてバターコーヒーを飲むことがあります。

 

 

2.バターコーヒー(完全無欠コーヒー)の作り方


 

材料は、コーヒー、MCTオイル、グラスフェッドバターです。私は、コーヒー豆を挽いて、仙台勝山館のMCTオイル、セーブルバターというグラスフェッドバターを使用しています。

 

 

 

私も自身のInstagramなどでもバターコーヒーの紹介をしています。

 
 
 
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これがいわゆる「完全無欠コーヒー」 低糖質のケトジェニックな食事メニューを実現したい場合に有効。 コーヒーにミルクを入れると、ミルクのカゼインという物質がコーヒーのポリフェノールなどの効果を減らしてしまうとされている。 ということで、バター。 脂質をエネルギーとして利用する比率を増やすことで血糖値の急激な変動も抑えられますし、エネルギーに変換する時に体内のビタミンミネラルが奪われないので効率的。 オフィスワーカーの方や受験生にもぜひオススメしたいです^^ #ココナッツオイル #抗菌作用 #抗真菌作用 #コーヒー#バターコーヒー#完全無欠コーヒー #ダイエット #朝食#脂質#ケトジェニック #集中力#糖質制限#血糖値スパイク #アンチエイジング #受験#仕事#パワフル #ヒトは口から老いる #biohack #bulletproof #coffee #butter #grassfed #mct#coconut#tokyo#japan

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最近はバターコーヒーにさらにアレンジして無糖のココアパウダーを加えたりすることもあります。

 

 

 

 

YouTubeでも詳細な作り方の動画が紹介されていますので参考までに。

 

 

3.バターコーヒー以外の大事なこと


 

バターコーヒーばかりが着目されてしまい、他の大事な良い内容がうまく世に伝わっていないようにも思います。

 

以下、大事なことをまとめています。

 

 

4.動物の身体もその動物が食べてきた食材 (飼料)によって作られている


私たち人間の身体が、日頃から摂取した栄養素から成り立っているというところまでは、私も想像していました。

しかし、「牛肉」をひとつ例にとって考えてみても、その牛肉の栄養価を比べる時に、その牛がどんな飼料で育ってきたかということが重要だという話です。

 

正直、食べ物が食べてきた物まで考えるということは今は当たり前のように考えるようになりましたが、その当時は衝撃的でした。

 

この本の中では、グラスフェッド(牧草飼料)で育った牛の方が、グレインフェッド(穀類飼料)で育った牛よりも栄養価が高くヘルシーであると述べています。

ニュージーランドなどの牛肉はグラスフェッドであることが多く、私もニュージーランド産の牛肉をスーパーで購入して家で焼くことがあります。

 

 
 
 
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赤身肉が赤いのは鉄分、血液豊富な証拠。 ニュージーランド産グラスフェッド(牧草飼料)ビーフ300gのステーキ。 スーパーで入手して家で焼くのが一番^^ グラスフェッドビーフの赤身肉は脂が少なくてペロッと食べれる感じ。 身体にも良いとくれば最高です。 #肉#ステーキ#赤身#グラスフェッド #ヒトは口から老いる#予防は食事から #アンチエイジング#抗酸化#抗糖化 #テヅカ歯科クリニック#ジンデンタルクリニック#歯医者#新橋#内幸町#川崎#東京 #beef#steak #newzealand #grassfed #biohack #tokyo#japan#dentist

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5.睡眠の質を高める方法


 

  

この本では、睡眠の質を高める方法についても述べられています。

 

睡眠の質を高める方法はいくつもあるかと思いますが、この本の中では、MCTオイル(ココナッツなどから中鎖脂肪酸のみを抽出したもの)を夕食時などに摂取することを勧めています。

 

また、指圧などの適度な痛み刺激を与えることも眠りを深くするのに有効であるとしています。

 

バターコーヒーなどカフェインについては午後3時以降は摂取しない方が良いとしており、摂取すべきでないものについても記されているのがこの本の良いところです。

 

そして、Android版でのアプリの紹介になりますがsleep cycleというアプリがあります。

このアプリを使うと身体の眠りが浅いときを狙って目覚まし時計が作動してくれるということができるため目覚めがスッキリするとして、オススメされています。

 

目覚ましをセットしてから起きるまでの時間の長さや、睡眠の質をパーセンテージで表示してくれるので、私も毎日このアプリを使っています。

 

なお、ケータイの電磁波が心配な場合は、機内モードにして頭のそばに置いておくことを忘れずに。

 

 

 

6.糖質を摂取しても良い時間帯は夜


 

糖質を摂取するべき時間帯については、画一的な答えは出ていないかと思いますが、この本の中では、唯一糖質を摂取するべき時間帯として夜を挙げています。

 

睡眠の質を高めるためにセロトニンという物質の合成が体内で必要になるため、その原料となる糖質を摂取することが良いとしています。(表現が誤解を招くため修正させていただきます。セロトニンの直接的な原料はアミノ酸です)

本のなかでは、”炭水化物を夜に食べるのが重要なのには、いくつか理由がある。まず体をリラックスさせて睡眠へ導くセロトニンという神経伝達物質の生成に、でんぷんと糖が使われること。”

という記載があります。

 

また、”夜の炭水化物の摂取から得られる血糖の上昇分は、あなたが眠っているあいだに脳が必要な働きをするのに役立てられる。”とも書いてあります。

 

科学的に、セロトニンの原料はタンパク質ですが、カロリー源として適度な量の糖質と良い脂質を摂取しておくと、睡眠中のエネルギー代謝においてアミノ酸が有効利用される可能性が高まりますし、糖質と一緒に摂取をすることでトリプトファンの吸収が高まり結果的にセロトニンの合成がスムーズになるという事実があるようです。

 

 

特に、トレーニングをした日は、その日の夜に余分に炭水化物を摂取することでインスリンの分泌を促し筋肉をムキムキにする手助けをしてあげる意味合いで食べるべきとしています。

 

インスリンというホルモンが出ると身体の中の細胞内に糖やアミノ酸などを取り込もうとしてくれますからね。筋肉をつくる工程が活発になると考えられています。

 

 

 

7.糖質を全く摂らないダイエットではない


 

最近、テレビ番組などで糖質制限に対して、身体に対して危険だったりマイナスの要因があることを挙げていることもあるようです。

 

しかし、その食事の例は、朝昼夜とサラダチキンのみで過ごすなど、極端な例を挙げているようです。

 

 

この本で良いところは、過度な糖質制限をすすめているわけではないし、むしろ少なくとも2週間に1回は糖質を摂取しなければならないとまで書いています。

 

 

さきほどの項目でも述べたように、糖質を摂取するタイミングや種類を限定することで、効果的に筋肉をムキムキにして、ダイエットを可能にして、睡眠の質を高めることができるということ。

 

 

私も過剰な糖質制限には、危険性があるのではと考えていますし、それぞれの人に合わせて「糖質コントロール」をしていくことが望ましいと思います。

 

 

8.運動習慣は週に3回まで。20分程度のきつい運動でムキムキになれる。


 

運動の習慣や運動の方法についてもこの本では触れてくれています。

 

本を読んだ当時に衝撃だったのは、30分とか1時間とかウォーキングをすることは、健康のためにやりたければやってもよいが、ダイエット効果はほとんど得られないということです。

 

そういった行為は、運動をしているのではなくただ動き回って疲れるだけだということです。

 

 

むしろ15分のハードなインターバルのランニングなどをした方が、ヒト成長ホルモンの分泌が促されて身体の心肺機能が高まる報告もあるんだとか。

 

 

週に何回かの運動で良くて、しかも15分~20分で済むだなんて、お仕事が忙しい方などには朗報なのではと思います。

 

 

私も学生時代などウェイトトレーニングをすることもありましたが、ジムでしっかりメニューをこなすと1~2時間くらいかかるような場合もありますもんね。

 

 

 

 

 

9.ケトン体質には大量の野菜が必要


 

  

 

この本の中では、主に、MCTオイルやグラスフェッドバター、グラスフェッドビーフなどの食材を用いて、脂肪燃焼を促進し、脳の機能を高めていくことを主目的としているように理解できると思います。

 

 

しかしながら、筆者が複数回にわたり本の中で強調しているのが、「大量の野菜」を食べていることです。

 

 

ケトン体質といって、ケトン体という物質を体内で有効利用できるようになってくると、脂質をエネルギー代謝して使えるようになるので、俗にいう「脂肪燃焼効果」というものが得られるようになります。

 

 

その一方で、ケトン体質になると身体が酸性になりやすいという特徴がありますから、大量の野菜をしっかり摂取することでアルカリ体質へ戻していくことも大事であるとしています。

 

 

そのため、本の中では、野菜の種類ごとのリスクの高いもの~低いもの、加熱方法についての考え方が書いてあります。

 

 

 

 

 

以上、内容がしっかりしている本ですし、自分が栄養に興味を持つきっかけをくれた本でもあるので、ブログの内容も長編となってしまいました😅

 

 

長い文章を読んでくださってありがとうございます😊

 

 

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口内炎ができやすい方へ

口内炎ができやすい方へ朗報です。

 

最初に私見を述べますが、私は口内炎ができなくなりました。

 

対症療法として、ステロイド軟膏やレーザー照射などが行われています。

 

しかしながら、レーザーによってできてしまった口内炎の痛みが緩和することはありますが、悪性腫瘍(がん)に対する照射はかえってがんを周囲にバラまいてしまったりするデメリットもあり、口内炎ができやすい方は後を絶ちません。

 

では、そもそもなんで口内炎ができるのでしょうか。

 

ちなみに筆者の手塚充樹は、過去には口内炎ができたこともけっこうありましたが、最近は毎日のサプリメントの服用やビタミンC点滴、食事内容のコントロールでめったにできなくなりました。

 

 

以下、原因を5つほどまとめてみました!

目次

 

1.ウィルス性の病気

 

2.がんや自己免疫疾患(自分で自分の身体を攻撃してしまう病気)

 

3.身体の中の栄養素(分子)の不足

 

4.お口の中にとがっているところがある

 

5.お口の中の細菌数が多い

 

 


 

1.ウィルス性の病気

 帯状疱疹などのウィルス性の病気でも口内炎ができることがあります。多くの場合は片側にかたよってできるのが特徴です。


 

2.がんや自己免疫疾患(自分で自分の身体を攻撃してしまう病気)

 ちょっと怖い話かもしれませんが、「がん」が最初に口内炎のような見た目であることもしばしばあります。

 その場合はレーザー治療は適応になりませんので、より専門な機関へご紹介いたします。

 また、ベーチェット病など自己免疫疾患の初期症状として、繰り返す口内炎が特徴として挙げられています。それだけ、口内炎は体内の変化から現れることがあるということですね。


 

 

3.身体の中の栄養素(分子)の不足

 体内の変化から現れるといえば、やはり身体の細胞レベルのことも見逃せないでしょう。ビタミンC、ビタミンA、亜鉛ビタミンD、ビタミンBなど多くの栄養素のかかわりがあるかと思いますが、私がよくお見受けするのが、夜にお仕事をされている若い女性の方などで慢性的に口内炎ができるかたが結構多いように思います。

 

 「お酒をたくさん飲む」「睡眠時間が不規則」「食生活では外食など多く野菜など不足しがち」

 

 などの特徴が当てはまる方は栄養素(分子)の改善でよくなる可能性があります。

 

 お酒をあまり飲まないようにすればよいのかというと、お仕事の関係上難しい方もいらっしゃいますよね。

 

 ヘルシーライフデンタルクリニックでの栄養カウンセリングによって不足している栄養素を積極的に取り入れるようにしたり、医療機関向けの医薬品基準で製造されたサプリメントの提供などによって根本的な改善も望めると思います。研究実績のある栄養素のサプリメントを取り揃えておりますので患者さんに合わせてオーダーメイドで提案をしていきます。


4.お口の中にとがっているところがある

 原因は様々かと思いますが、むし歯や歯ぎしり、ケガなどが原因で歯がとがっていて、そのような状態が放置されていると舌などに小さなキズができて、そこから炎症が起きて口内炎になってしまうケースもあります。

 応急処置でとがっている部分を丸めることはもちろん、歯の治療をしたほうが良い場合もあるかもしれません。


 

 

5.お口の中の細菌数が多い

 何年間もお口の中の専門的なケアを行っていなかった場合、現代の一般的な食生活ではどうしても、口腔内の悪玉菌が増えがちです。

 お口の中の細菌数が多ければ、それだけキズができたときに炎症が起きることや治癒が遅くなることも考えられます。

 あまり、歯石が多かったり、歯ぐきから普段出血してしまうような場合はお口の中のケアをして悪玉菌を一掃しておいたほうがよいかもしれません。


 

以上、簡単にですが口内炎について原因を5つほど挙げてみました!

 

口内炎ができやすい方はお気軽にご相談ください(^-^)/

 

栄養カウンセリングや安全なサプリメントの選別について、下記リンクから予約していただくことができます。

apo-toolboxes.stransa.co.jp

ビタミンAの誤解とホントのところ

どうも、歯科医師の手塚充樹です。

 

今回のブログはビタミンAについてです。

 

目次

 

1.「ビタミンAを妊娠中に摂取しない方がよい?」「ビタミンAは摂りすぎない方がよい?」

 

2.ビタミンAと呼べる物質にはたくさん種類がある

 

 

3.乳児の奇形で報告されているのは、妊娠初期のニキビの治療薬(レチノイン酸)

 

4.お母さんの初乳中にはビタミンAがいっぱい

 

5.天然のビタミンAを含んだ食材やサプリメントは安心で必要な栄養素

 

6.ビタミンAの臨床応用

 

7.ビタミンAを含む食材

 

 

1.「ビタミンAを妊娠中に摂取しない方がよい?」「ビタミンAは摂りすぎない方がよい?」

元々「ビタミン」とは、生命を意味するラテン語の「via」にちなんで、”生命活動に欠かせない「amine」(アミン:窒素を含むアミン化合物)”と命名された物質が、ビタミン vitaminである。と言われています。

 

ビタミンAは最初に発見されたビタミンです。

 

「ビタミン」という名前ですが、広義な呼び方になるため、いろいろと誤解をまねいたり、作用について細かく語るためには、さらに細かい分類を考えなければいけない場合があります。

 

 

たとえば「ビタミンAは摂りすぎない方がよい」とか、「妊娠中はビタミンAは摂らない方がよい」などです。

 

 

2.ビタミンAと呼べる物質にはたくさん種類がある

動物性食品(動物や魚類の肝臓や卵)に含まれる「レチノール」

 

植物性の食品(緑黄色野菜や果物)に含まれる「βカロチン」の2種類がある。

 

そして、体内ではレチノール、レチナール、レチノイン酸と、3種類の活性型で作用する。

 

「ビタミンA」と呼ぶだけで何種類も物質があるんですね。

 

 

3.乳児の奇形で報告されているのは、妊娠初期のニキビの治療薬(レチノイン酸)

 

 

赤ちゃんの二分脊椎や口唇裂、四肢の変形などビタミンAによる被害が報告されているのは合成のレチノイン酸のみなようです。

 

 

では、逆に摂取しなかった場合にはデメリットがあるんでしょうか。

 

 

4.お母さんの初乳中にはビタミンAがいっぱい

 

 

最近は母体の栄養素が不足していることによって母乳内の栄養素も不足してきていることも問題点となっています。

 

母乳には赤ちゃんを育て上げるために必要な栄養素がつまっています。

 

その母乳にもビタミンAが豊富に含まれているとのこと。

 

赤ちゃんを育てる為にもビタミンAが必須であることがわかりますよね。

 

 

 

 

5.天然のビタミンAを含んだ食材やサプリメントは安心で必要な栄養素

 

食材中のビタミンAはほとんどレチニルエステルといって不活性な形で存在していて、ヒトの身体の中でもタンパク質とくっついて、活性型にならないように厳重に管理されています。

 

 

 

6.ビタミンAの臨床応用

ビタミンAは、近年罹患する方が多い、逆流性食道炎にも効果が出ることがあります。

 

逆流性食道炎の方は慢性的に胃酸が逆流しているため、胃酸の影響によって食道の粘膜が胃の粘膜かのように変わってしまう「分化異常」という現象が起きていることがあるそうです。

 

そのような分化異常を是正する効果もビタミンAにみとめられています。

 

分化の異常を治すためにビタミンAを使う場合は、天然型のビタミンAを高用量摂取しないとなかなか効果が出てこないことが知られています。

 

私自身も、「分化転換」という現象について研究していた経緯があります。細胞に与える栄養素を変えてあげるだけで、細胞自身のふるまいが変わってしまうという現象です。

 

細胞に与える栄養素を変えるだけで、細胞が役割が変わることが証明されているため、私の中ではビタミンAの摂取によって食道粘膜の細胞のふるまいが変わったとしてもなんら不思議はありません。

 

ただ、お薬を飲んで、胃酸の分泌を抑え続けることと比べてどちらが健康的な治し方か。

 

それは患者さん個人個人のご判断にお任せしますが、胃酸はお肉やお魚などのタンパク質を分解して消化していくために大変重要です。

 

 

 

7.ビタミンAを含む食材

 

 

あん肝や、ウナギ肝、鶏や豚のレバー、ニンジン、モロヘイヤ、カボチャなどがあります。

 

 

それらの食べ物が苦手で食べれない方はビタミンAが不足しがちかもしれません。

 

消化管や皮膚のトラブルが多ければ要注意です。

 

 

どうしても食べられない場合は、高品質なサプリメントの活用も有効です。

 

なかなか毎日のように肝とか人参とかカボチャとか食べられない場合もありますよね。

 

私が実際にそうです。あん肝、レバーなどの料理は好きですが。

 

今は、自分の腕の柔らかいところに出来ているプチプチ(毛孔角化症)っぽい感じを、医療機関向けサプリメントのビタミンAや亜鉛ビタミンDを使って消せるかどうか実験中です。

 

 

ということで、今回はビタミンAのお話でした。

 

 

 

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「ヒトは口から老いる、歯科から健康寿命を延伸する」

手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

 

ヘルシーライフデンタルクリニック院長

healthylife-dental.com

 

 

 

 

 

治療を清潔に、再発予防!POICウォーターの活用。

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

 

だいぶ前のブログでもupしましたが、POICウォーター(ポイックウォーター Professional Oral Infection Control Water )についてお話します。

 

 

 

治療する部位を無菌化し、清潔に治療ができる


 

 

当院では、お口の中の清掃・除菌、むし歯治療、歯周病治療などに積極的に用いています。

 

 

むし歯や歯周病の原因菌を、従来は削り落としたり研磨剤で除去ふるような形で行っていましたが、

 

POICウォーターを併用することで、菌やその他のタンパク質を分解しながら治療が進められます。

 

 

 

治療後の再発予防に


 

 

もし、むし歯を治療した際に、削った部分を詰めるところに細菌がまだ残っていたら……

 

むし歯病原菌を封入してしまうことになります。

 

 

 

 

歯科の治療用ユニットを流れる水の信頼性


 

 

ちょっと怖い話ですが、歯科の治療用ユニット内を流れるお水(歯を削る際の注水やうがいをする水)についても、細菌が多い場合には通常の水道水よりも増えてしまうことが知られています。

 

 

当院では高濃度のPOICウォーターを治療部位へ用いることによって、信頼性の高い洗浄・治療を心がけています。

 

 

ご家庭でのケアにも使用可能


 

 

むし歯や歯周病のリスクが高い場合や、手が不自由でどうしても歯磨きがしにくい方などを対象に、ドクターの判断で治療の一環としてご家庭でPOICウォーターを使用して頂くこともできます。

 

 

 

歯科から健康寿命を延伸するために、再発予防、再治療を阻止するためにできる限りのことをやる


 

結局やるべき事は、歯を治すだけではなく、お口の中から身体へ細菌を送り込んだりすることを阻止することだと考えています。

 

今回は、そのためにも有効な手助けとなってくれる可能性のあるPOICウォーターについて再度ご紹介しました。

 

 

 

 

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手塚 充樹 

Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学)

D.M.D. Ph.D.

ヘルシーライフデンタルクリニック院長